□水溶性ビタミンについて
ビタミンB1
- 疲労回復
- 糖質代謝
- 脳の活性化
- アルツハイマー予防
ビタミンB1は、糖質がエネルギーに変化するのに不可欠な栄養素です。
不足すると炭水化物の分解がうまくいかずブドウ糖が不足するので、集中力や記憶力の低下や疲労感・だるいなどの症状を引き起こします。
また、運動能力が低下することもあります。
- 豚肉
- うなぎ、紅鮭
- たらこ
- パン酵母
- 大豆、青えんどう、レンズ豆、いんげん豆、小豆
- 胚芽精米
- 玄米
- そば
ビタミンB2
- 脂質をエネルギーに変える
- 皮膚、粘膜の健康維持
- 成長促進
- 生活習慣病の予防
脂質をエネルギーに変えつつ新しい細胞をつくる手助けをし、皮膚・髪・喉・眼などの健康を維持し、また子どもや胎児の発育を助けます。
炭水化物とたんぱく質をエネルギーに変える働きもあります。
ビタミンB2は、活性酸素を消去する酵素の補酵素として働くため動脈硬化を予防し、また過酸化脂質を分解し排出する働きもあり、肥満や生活習慣病の予防にも役立ちます。
ナイアシン(ビタミンB群の一種 科学名ニコチン酸)
- 二日酔い予防
- 三大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)の代謝
- 神経の安定
- 皮膚、粘膜の健康維持
体内でニコチンアミド(NAD)に変化し補酵素として働きます。
NADは、アルコールを分解してアセトアルデヒドという物質にし、さらに分解して無毒な物質に変えます。
また、三大栄養素からエネルギーを作るのに必要な酵素を助ける補酵素として働きます。
ナイアシンは脳神経の働きを助け、皮膚や粘膜の健康を保つことにも欠かせません。
- たらこ、かつお、まぐろ、まさば、ぶり、さわら、まいわしなど魚類
- 豚、鶏、牛レバー
- 玄米
ビタミンB6
- 筋肉をつくる
- 脂肪肝の予防
- 脳の興奮を鎮める
- 月経前症候群(PMS)を防ぐ
- 有害金属の毒性軽減
たんぱく質を分解してエネルギーに変え、分解したアミノ酸で筋肉・血液などをつくり、また脂質もエネルギーに変え脂質が溜まるのを防ぎます。
更に、神経伝達物質の合成を助け脳を正常に保つ働きがあります。
ビタミンB6は、幸せホルモンのセロトニンの合成に関与しているため、精神の安定につながる栄養素です。
ビタミンB6の補充により、気分のむら・イライラ・もの忘れ・不安などの症状が緩和できることがいくつかの研究で示されています。
ビタミンB6は、腸内細菌がつくることもできるので、欠乏症はあまり起こりません。
しかし、たんぱく質の摂取量が多いほど必要になります。
また、妊娠中や月経前・抗生物質を長期服用している場合などは、不足に注意しなければなりません。
欠乏症状
- 食欲不振
- 成長の抑制
- 脂漏性皮膚炎
- 口内炎
- 口角炎
- 結膜炎
- 貧血
- 手足のしびれ
ビタミンB6は、魚や肉や玄米などに多く含まれています。
ビタミンB12
- 貧血予防
- 神経細胞を正常に戻す
- メラトニンの生成
ビタミンB12は、葉酸と共にたんぱく質やアミノ酸の代謝で補酵素として働きます。
また、脳の神経細胞の細胞膜に入り込み修復や合成を助けます。
傷ついた神経細胞を正常に戻し、手足のしびれや肩こりを和らげる働きがあります。
赤血球をつくるのに必要な栄養素なため、貧血を予防しますが葉酸と一緒に摂取することが大切です。
妊娠期や授乳期には不足しないように気を付けなければなりません。
妊娠期に不足すると、貧血やむくみを引き起こし流産の危険もあると言われています。
授乳期の不足は、貧血のほか乳児の発達障害や運動障害を引き起こす危険性があります。
ビタミンB12は、レバーや魚介類に多く含まれているためベジタリアンの人は、納豆や味噌などの発酵食品から摂取する必要があります。
葉酸(ビタミンB群)
- 貧血予防
- 皮膚、粘膜の強化
- 動脈硬化予防
- 胎児の正常な発育
葉酸は、ビタミンB12と共に全身に酸素を運ぶ赤血球をつくります。
鉄を摂っていても葉酸とビタミンB12が不足すると貧血になります。
皮膚や粘膜を強くする葉酸(ビタミンB12と共に)。
皮膚や粘膜は、最初にウイルスや細菌などの外敵にさらされる器官であるため、強化することで外敵の侵入を防ぐことができ感染症やアレルギーなどを予防することができます。
※体にある粘膜は、鼻や口の中の粘膜・のどの粘膜・胃や腸の粘膜・膀胱や子宮の粘膜などといった様にたくさんの粘膜があります。
また、葉酸とビタミンB12の組み合わせで動脈硬化を予防します。
ビタミンB12は魚介類やレバーに多く含まれており、レバーには葉酸も多く含まれています。
- 鶏、牛、豚レバー、うなぎの肝
- パン酵母
- 菜の花、モロヘイヤ、ブロッコリー、ほうれん草、春菊、芽キャベツ、グリーンアスパラガス
- ひよこ豆、枝豆
- ライチ、いちご、アボカド
パントテン酸
- 糖質、脂質、たんぱく質の代謝
- HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす
- ストレス緩和
- 動脈硬化予防
- 美肌、美髪効果
体内に吸収されたパントテン酸は、補酵素のコエンザイムA(CoA)をつくる成分となります。
(CoAは体内に広く分布し幅広い代謝に関わっています。)
パントテン酸は、善玉コレステロールを増やす働きがあるため動脈硬化を予防し、またビタミンB6や葉酸と共に免疫力を高めるために働き、感染症を防ぐ効果もあります。
更にビタミンCの働きをサポートしているので、コラーゲンがつくられ健康な皮膚と髪を保つことができます。
- 鶏・牛・豚レバー、鶏肉
- うなぎの肝、うなぎ
- 子持ちかれい、たらこ
- 納豆
- アボカド
- 牛乳
- 卵
- モロヘイヤ
- 干ししいたけ
ビオチン
- 糖質、脂質代謝
- 皮膚、粘膜、毛髪の健康維持
- 皮膚炎改善
体に取り込まれたビオチンは、酵素たんぱく質と結合し糖質・アミノ酸・脂肪酸の分解に関わる補酵素として働きます。
また、DNAをつくる時にも大事なサポートをします。
たんぱく質をつくる働きがあるビオチンは、皮膚や粘膜・毛髪の新陳代謝を助け健康な状態を維持します。
また、皮膚炎を引き起こす原因物質のヒスタミンがつくられるのを防ぎ、その症状を改善します。
ビオチンは、レバー・魚介類・ナッツ類・卵黄・海藻・納豆など、様々な食品に含まれており通常の食生活をしていれば欠乏する心配はなく、尿中に速やかに排泄されるため過剰症の心配もないと言われています。
ビタミンC
- 抗酸化作用
- コラーゲンの生成
- 鉄の吸収アップ
- 抗ストレス作用
- 抗ヒスタミン作用
- 利尿作用
- ガン予防
- 有害金属の毒性軽減
コラーゲンの合成促進や活性酸素の除去し多くの生理作用に役立ちます。
身体をつくるたんぱく質の1/3はコラーゲン。
コラーゲンは、血管・筋肉・骨・皮膚などの細胞をつなぎ丈夫に保ちます。
ビタミンCは、コラーゲンの合成を助けて皮膚のシミやしわを防ぎ、傷や炎症などが早く治ります。
抗酸化力が強いビタミンCは、体内の酸化を防ぎ動脈硬化を予防します。
また、悪玉のLDLコレステロールを減らし、善玉のHDLコレステロールを増やします。
さらに、血圧上昇の抑制や免疫力アップ・細菌感染症に対する抵抗力も高め良い事だらけです。
ビタミンCが不足すると欠乏症になり、強い疲労感や関節痛などを引き起こします。
その他ビタミンCの効果
- 抗腫瘍作用
- 尿酸を減らす
- 血液中のアルコール排出促進
- 寒冷抵抗力を高める
- 痛みの軽減
- ウイルスを殺す
- 細菌の毒素中和
ビタミンCが不足する原因
厚生労働省によるビタミンCの食事摂取基準の推奨量は、12歳以上で1日100mgとされています。
ですが、わたしたちはその半分程しか摂取できていないと言われており、またストレスなどによってもビタミンCが多量に消費されています。
体内のビタミンCが不足する原因、不足しやすい人は以下の通りです。
- 飲酒
- 喫煙
- 受動喫煙
- 過度のストレス
- 大気汚染
- 妊婦、授乳婦
- 激しい運動をする人(大量の汗とともにビタミンCが失われます。)
- 病気の人や、薬を常用している人
- 高齢者
ビタミンCは野菜や果物に含まれていますが、特に多く含まれているのは以下の食品です。
- 赤パプリカ、黄パプリカ、にがうり(ゴーヤ)
- 菜の花、芽キャベツ、ケール、パセリ、レッドキャベツ、ブロッコリー
- アセロラ、ゆず(果皮)、レモン、パパイヤ、柿、キウイフルーツ、いちご
以上、13種類のビタミンの働きについて書かせていただきました。
何かの参考になれば嬉しいです。
ありがとうございました。