ナマコの旬は12月~3月頃です。
朝鮮人参と同じくらいの薬効があり、乾燥ナマコは中華料理の高級食材として知られています。
ナマコは酢の物にして食べるイメージがありますが、煮たり炒めたり、スープに入れたり意外といろいろなお料理に使えます。
ナマコの栄養素
ビタミンE □ナトリウム
ビタミンB1 カリウム
ビタミンB2 カルシウム
ナイアシン ●マグネシウム
ビタミンB6 リン
●ビタミンB12 鉄
葉酸 亜鉛
パントテン酸 銅
ビオチン マンガン
●ヨウ素
●セレン
クロム
モリブデン
その他
アミノ酸
ナマコには、これらの栄養素が含まれています。
●マークで太字が特に多く含まれ、□マークは次に多い栄養素。
無印のものは含有量が少なめの栄養素です。
●マークと□マークについて説明したいと思います。
↓無印の栄養素についてはこちらから
●ビタミンB12
- 貧血予防
- 動脈硬化予防
- 神経細胞を正常に戻す
- メラトニンの生成
ビタミンB12は、葉酸と共にたんぱく質やアミノ酸の代謝で補酵素として働きます。
また、脳の神経細胞の細胞膜に入り込み修復や合成を助けます。
傷ついた神経細胞を正常に戻し、手足のしびれや肩こり・腰痛を和らげる働きがあります。
赤血球をつくるのに必要な栄養素なため、貧血を予防しますが葉酸と一緒に摂取することが大切です。
葉酸は、葉物野菜に豊富に含まれています。
ナマコを食べる際は、葉酸を含む食品を使ったお料理も食卓に並べましょう。
妊娠期や授乳期には不足しないように気を付けなければなりません。
妊娠期に不足すると、貧血やむくみを引き起こし流産の危険もあると言われています。
授乳期の不足は、貧血のほか乳児の発達障害や運動障害を引き起こす危険性があります。
ビタミンB12は、レバーや魚介類に多く含まれているためベジタリアンの人は
納豆や味噌などの発酵食品から摂取する必要があります。
□ナトリウム
- 体内の水分調節
- 筋肉、内臓を動かす
- 筋肉や神経の働きを正常に保つ
ナトリウムは、体内の水分量を調節して正常に保ち、神経や筋肉の働きを助けるミネラルです。
カリウムと協力し体内の水分量を調節するほか、筋肉を収縮させたりゆるませたり内臓も動かしています。
更に、神経が情報を全身に伝えたり、糖やアミノ酸の腸管での吸収にも関わっています。
過剰による病気や症状
健康な人の一時的な摂り過ぎは心配する必要は無いと言われています。
毎日の食生活である程度、塩分を意識していないと長期的に摂り過ぎることになり高血圧などを引き起こします。
高塩分の食事を続けると、ナトリウムとカリウムのバランスが崩れ、喉の渇きやむくみなどが起こる場合があります。
また、高血圧になると血管や心臓に負担がかかり、動脈硬化・心筋梗塞・不整脈・心不全などの重大な病気につながります。
ナマコ100gでナトリウムは約680mg、食塩の量に換算すると約1.7g。
厚生労働省による食塩の1日の目標量は、男性8g以下で女性7g以下です。
1日3食の場合、目標量は軽く超え、目標量を意識し過ぎれば食べるものが制限され、その他の栄養素が欠乏する可能性があります。
ナトリウムは、尿や便・汗に交じって毎日排出されています。
1日に摂取する塩分量が30g以下なら、高血圧に影響の無いことが大規模な疫学調査で報告されています。
日々、新鮮な良い水をしっかり摂取しつつ、塩分が多いスナック菓子などを食べ過ぎないことが大切です。
漬物や味噌などの発酵食品も塩分が多いですが、そのほか様々な栄養素が豊富に含まれています。
含まれる栄養素はスナック菓子などとは比になりません。
●マグネシウム
- 神経の興奮を抑制
- 筋肉の収縮
- 酵素の活性化
- 有害金属の毒性軽減
約70%は骨に分布しており骨や歯にカルシウムを定着させる働きがあります。
また、糖質代謝・体温調節・筋肉収縮・神経伝達・ホルモンの分泌・たんぱく質の合成などの働きにも関わっています。
マグネシウムの別名は「抗ストレスミネラル」。
神経の高ぶりを押さえる作用があるため、穏やかな精神状態を保ち、また落ち込みや無気力・集中力の低下を防ぎます。
マグネシウムが欠乏すると、カルシウムと共に骨から溶出され骨や歯がもろくなります。
また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病に関連するとも言われています。
けいれんやしびれを引き起こすことも。
マグネシウムとカルシウムはバランスが重要で1:2が理想とされています。
マグネシウムが不足する原因
- 糖質、脂質の摂り過ぎ
- アルコールの摂り過ぎ
- 加工食品や清涼飲料水の摂り過ぎ
- 過度のストレス
- 過度の運動
また、たんぱく質が足りないとマグネシウムの吸収が遅れます。
●ヨウ素
- 甲状腺ホルモンをつくる
- 成長、発達に関与
- エネルギー代謝促進
甲状腺ホルモンの材料になるヨウ素は、体内の代謝・成長に関わっています。
甲状腺ホルモンは、細胞の活動を高めて骨形成やたんぱく質の合成を増加させ交感神経の働きを活発にします。
また、皮膚や髪や爪を常に健康な状態に保ち、脳や知能の発達を助けます。
そのため、甲状腺ホルモンの材料になるヨウ素は、乳幼児や成長期の子どもにとって特に必要なミネラルです。
妊娠中のヨウ素欠乏は、胎児の脳や身体の発達が遅れることがあります。
注 ヨウ素を長期間過剰摂取したり、体内で欠乏すると甲状腺機能に異常が生じます。
●セレン
- 老化防止
- 更年期障害の改善
- 有害金属の毒性軽減
たんぱく質と結合した形で存在し、活性酸素の働きを止める抗酸化酵素をつくります。
それにより、老化防止・更年期障害の改善・血管や目の働きの低下を予防すると考えられています。
強い抗酸化作用があるビタミンC・ビタミンE・βカロテンなどと一緒に摂る事でセレンの働きがアップすると言われています。
また、ビタミンCの再生や甲状腺ホルモンの活性化にも関わっています。
いかがでしたでしょうか。
ナマコにはビタミンB12が豊富に含まれており、動脈硬化予防や腰痛・肩こり緩和などが期待できます。
また、ビタミンB12とマグネシウムは精神安定効果もあります。
コリコリ食感が特徴のナマコは、90%は水分のため消化に良い食材です。
あのコリコリは、コラーゲン繊維のため美肌効果が期待でき、
また低カロリーなのでダイエットにも良さそうです。
グロテスクな見た目ですが、スーパーなどではカットした状態で販売されています。
ぜひ、いろいろなお料理に取り入れてみて下さい。
ありがとうございました。