普通の玉葱は通年良い状態のものが出回っています。(新玉ねぎの旬は春)
サラダや炒め物、スープなど様々なお料理に使えどんな食材にも合う定番食材です。
玉葱の栄養素
ビタミン |
ミネラル |
ビタミンK | ナトリウム |
ビタミンB1 | カリウム |
ビタミンB2 | カルシウム |
ナイアシン | マグネシウム |
□ビタミンB6 | リン |
葉酸 | 鉄 |
パントテン酸 | 亜鉛 |
ビオチン | 銅 |
ビタミンC | マンガン |
セレン | |
モリブデン |
その他
食物繊維
アミノ酸
玉葱には、これらの栄養素が含まれています。
●マークで太字が特に多く含まれ(今回なし)、□マークは次に多い栄養素。
無印のものは含有量が少なめの栄養素です。
□マーク、ビタミンB6の働きや効果について説明したいと思います。
↓無印の栄養素についてはこちらから
□ビタミンB6
- 筋肉をつくる
- 脂肪肝の予防
- 脳の興奮を鎮める
- 月経前症候群(PMS)を防ぐ
- 有害金属の毒性軽減
たんぱく質を分解してエネルギーに変え、分解したアミノ酸で筋肉・血液などをつくり、また脂質もエネルギーに変え脂質が溜まるのを防ぎます。
更に、神経伝達物質の合成を助け脳を正常に保つ働きがあります。
ビタミンB6は、幸せホルモンのセロトニンの合成に関与しているため、精神の安定につながる栄養素です。
ビタミンB6の補充により、気分のむら・イライラ・もの忘れ・不安などの症状が緩和できることがいくつかの研究で示されています。
ビタミンB6は、腸内細菌がつくることもできるので、欠乏症はあまり起こりません。
しかし、たんぱく質の摂取量が多いほど必要になります。
また、妊娠中や月経前・抗生物質を長期服用している場合などは、不足に注意しなければなりません。
欠乏症状
- 食欲不振
- 成長の抑制
- 脂漏性皮膚炎
- 口内炎
- 口角炎
- 結膜炎
- 貧血
- 手足のしびれ
ケルセチン
玉葱にはケルセチン(ポリフェノールの一種)が含まれています。
- ダイエット効果
- 抗炎症作用
- 抗酸化作用
- 高血圧予防
- 免疫力アップ
ケルセチンは、脂肪分解酵素の活性化を促す働きがあるとされています。
肝臓に含まれる脂肪の燃焼・排出や消化官での脂肪吸収抑制などが期待されており、メタボリックシンドロームを抑制する働きがあると考えられています。
花粉症やアトピー性皮膚炎・気管支喘息などを引き起こす物質としてヒスタミンがありますが、ケルセチンがヒスタミンの働きを抑制しアレルギーなどの症状を軽減すると考えられています。
ケルセチンはビタミンPの働きをします。
ビタミンPはビタミン様物質で、ビタミンCの機能を助ける作用があります。
高血圧を予防したり、免疫力を高めて風邪を引きにくくし、また出血性の病気の予防にも効果があると言われています。
玉葱の皮に含まれるケルセチンの含有量は、可食部の30倍!
フードプロセッサーやすり鉢で擦って粉末状にし、お茶にしたり、いろいろな料理に使う事でたっぷりケルセチンを摂取することができます。
イオウ化合物
玉葱には、硫化アリルと硫化プロピルというイオウ化合物(香気成分)が含まれています。
硫化アリル
生の玉葱に含まれるアイリンと、つぶしたり加熱調理した時に酵素が作用して出来るアリシンがあります。
硫化アリルはビタミンB1と結合して、ビタミンB1単独の時よりも安定して代謝を行うため、ビタミンB1が豊富な豚肉と玉ねぎで作る料理はとても良い組み合わせです。
ビタミンB1は、新陳代謝の促進や疲労回復に役立つ栄養素です。
↓「つくおき」で、良い組み合わせのレシピが紹介されています。
硫化プロピル
生の玉葱に含まれる辛み成分で、血糖値を下げ糖尿病を予防します。
硫化プロピルは、加熱によりセバエンという物質に変化します。
セバエンは高血圧の予防と改善、動脈硬化や血栓を予防します。
これらのイオウ化合物は、強力な抗酸化作用を発揮します。
活性酸素
活性酸素は、体を作っている脂質やたんぱく質などを傷つけ過酸化脂質を発生させます。
そして過酸化脂質は、ガンなど様々な病気の元になり、またシミやしわなども引き起こします。
よって体内の活性酸素を増やさないように気を付け、減らすことで老化を防止し健康を維持できます。
活性酸素は、抗酸化作用のあるケルセチンとイオウ化合物を摂取する事で抑制できます。
また、ビタミンA・E・Cも強い抗酸化作用があります。
※体内には、活性酸素を消去する機能が備わっていますが、この機能は加齢とともに低下します。
活性酸素が増える原因
- 喫煙
- 受動喫煙
- 大量の飲酒
- 過度なストレス
- 過度な運動
- 栄養の偏り
- 紫外線
- 排気ガス
- 農薬
玉葱に含まれるイオウ化合物の効果まとめ
上記、アイリンやセバエンなど聞きなれない物質名が沢山出てきましたが、
生→血糖値を下げ糖尿病を予防、動脈硬化や血栓を予防
加熱→高血圧の予防と改善、動脈硬化や血栓を予防
そして、玉葱に含まれる香気成分のイオウ化合物が、生でも加熱しても強力な抗酸化作用を発揮するという事を覚えておけば良いでしょう。
オリゴ糖
また、玉葱にはフラクトオリゴ糖も多く含まれています。
オリゴ糖には、消化性と難消化性があります。
特に人の消化酵素では消化されない難消化性オリゴ糖は、虫歯予防や便秘解消、善玉菌のエサになって増殖を助けるなど多くの機能が注目されています。
ある機関の研究によると、オリゴ糖がほぼ100%小腸と大腸に到達するものは、フラクトオリゴ糖・ガラクトオリゴ糖・ビートオリゴ糖(ラフィノース)という結果でした。
これら3種類は難消化性です。
また、オリゴ糖は老廃物やしんだ悪玉菌などを便として排出するのにも役立ちます。
玉葱には筋肉や血液をつくったり、脳の興奮を鎮める作用があるビタミンB6や、アレルギー症状を軽減するケルセチン、また抗酸化作用のある香気成分が含まれています。
美容や健康維持に、ぜひ毎日のお料理に取り入れてみてください。
ありがとうございました。