冬瓜の旬は6月~9月頃です。
貯蔵性が高いため10月や11月などにもお店に並んでいることがあります。
冬まで保存が可能であるという意味から「冬瓜」と名付けられたそうです。
スープや煮物、炒め物や漬物などいろいろなお料理に使えます。
冬瓜の栄養素
ビタミン |
ミネラル |
ビタミンA | ナトリウム |
ビタミンE | □カリウム |
ビタミンK | カルシウム |
ビタミンB1 | マグネシウム |
ビタミンB2 | リン |
ナイアシン | 鉄 |
ビタミンB6 | 亜鉛 |
□葉酸 | 銅 |
パントテン酸 | マンガン |
ビオチン | ヨウ素 |
●ビタミンC | ●モリブデン |
その他
食物繊維
アミノ酸
冬瓜には、これらの栄養素が含まれています。
1/8個 306gあたり(冬瓜は1/2個や1/4個で販売されている事が多いです。)
●マークで太字が特に多く含まれ、□マークは次に多い栄養素。
無印のものは含有量が少なめの栄養素です。
●マークと□マークの働きや効果について説明したいと思います。
↓無印の栄養素についてはこちらから
前回はキュウリについて書きましたが、冬瓜と比べるとキュウリは、ビタミンKの含有量が多いですが冬瓜には殆ど含まれていません。
また、冬瓜は皮を剥いて食べるためビタミンAは摂取できません。
ビタミンCについては、冬瓜は3倍近く多く含まれています。(同量100gでの比較)
□葉酸(ビタミンB群)
- 貧血予防
- 皮膚、粘膜の強化
- 動脈硬化予防
- 胎児の正常な発育
葉酸は、ビタミンB12と共に全身に酸素を運ぶ赤血球をつくります。
鉄を摂っていても葉酸とビタミンB12が不足すると貧血になります。
皮膚や粘膜を強くする葉酸(ビタミンB12と共に)。
皮膚や粘膜は、最初にウイルスや細菌などの外敵にさらされる器官であるため、強化することで外敵の侵入を防ぐことができ感染症やアレルギーなどを予防することができます。
※体にある粘膜は、鼻や口の中の粘膜・のどの粘膜・胃や腸の粘膜・膀胱や子宮の粘膜などといった様にたくさんの粘膜があります。
ビタミンB12は、魚介類やレバーに多く含まれています。
かつお節出汁や煮干し出汁のお味噌汁などに冬瓜を入れたり、魚料理と一緒に煮たり、炒めるなどすることで効率よく摂取できます。
この葉酸とビタミンB12の組み合わせが、動脈硬化も予防します。
↓「京・食ねっと」で、良い組み合わせのレシピが紹介されています。
●ビタミンC
- 抗酸化作用
- コラーゲンの生成
- 鉄の吸収アップ
- 抗ストレス作用
- 抗ヒスタミン作用
- 利尿作用
- ガン予防
- 有害金属の毒性軽減
コラーゲンの合成促進や活性酸素の除去し多くの生理作用に役立ちます。
身体をつくるたんぱく質の1/3はコラーゲン。
コラーゲンは、血管・筋肉・骨・皮膚などの細胞をつなぎ丈夫に保ちます。
ビタミンCは、コラーゲンの合成を助けて皮膚のシミやしわを防ぎ、傷や炎症などが早く治ります。
抗酸化力が強いビタミンCは、体内の酸化を防ぎ動脈硬化を予防します。
また、悪玉のLDLコレステロールを減らし、善玉のHDLコレステロールを増やします。
さらに、血圧上昇の抑制や免疫力アップ・細菌感染症に対する抵抗力も高め良い事だらけです。
ビタミンCが不足すると欠乏症になり、強い疲労感や関節痛などを引き起こします。
その他ビタミンCの効果
- 抗腫瘍作用
- 尿酸を減らす
- 血液中のアルコール排出促進
- 寒冷抵抗力を高める
- 痛みの軽減
- ウイルスを殺す
- 細菌の毒素中和
ビタミンCが不足する原因
厚生労働省によるビタミンCの食事摂取基準の推奨量は、12歳以上で1日100mgとされています。
ですが、わたしたちはその半分程しか摂取できていないと言われており、またストレスなどによってもビタミンCが多量に消費されています。
体内のビタミンCが不足する原因、不足しやすい人は以下の通りです。
- 飲酒
- 喫煙
- 受動喫煙
- ストレス
- 大気汚染
- 妊婦、授乳婦
- 激しい運動をする人(大量の汗とともにビタミンCが失われます。)
- 病気の人や、薬を常用している人
- 高齢者
□カリウム
- 浸透圧の調整
- 心臓や筋肉の機能調整
- 高血圧予防
- 利尿作用
カリウムの多くは、細胞内に分布しています。
細胞外液に多く分布するナトリウムと協力して心臓の拍動や神経伝達をスムーズに調整します。
水分量も調節し筋肉も動かしています。
また、カリウムを摂取することでナトリウムの排出を促し血圧を正常に保ちます。
酸とアルカリの平衡を保ち、酵素反応を調整しエネルギー代謝にも関与しています。
ナトリウムと協力して働くカリウム
冬瓜自体は、ナトリウムが少なめですが現代人は塩分過多気味の人が多く、通常の食事をしていれば体内のナトリウムが欠乏するような事はありません。
塩分過多により体内調整でカリウムが使われ、カリウム欠乏にならないように気を付けなければなりません。
つまり、塩分の摂り過ぎに気を付け、カリウムを積極的に摂ることが大切です。
カリウムは水溶性のため調理の際は失わないように気を付けましょう。
注 カリウムは腎不全の場合には禁忌です。
また、腎臓の機能が低下している人はカリウム制限が必要になります。
●モリブデン
肝臓・腎臓・副腎に多く含まれており尿酸を作る酵素や、悪酔いの原因物質「アセトアルデヒド」を処理する酵素の構成成分として重要な役割を担っています。
- 肝臓、腎臓で有害物質を分解
- 糖質、脂質の代謝
- 二日酔い予防
- 虫歯予防
- 鉄を利用しやすくし貧血を予防
モリブデンは、プリン体が尿酸に分解するのを助け、それを尿に排泄する働きがあります。
また、糖質や脂質の代謝を進めてエネルギーになるのを助けます。
さらに、体内に溜まった亜硫酸毒素を分解するため、虫歯の予防にも役に立つと言われています。
モリブデンは、吸収されやすく尿として速やかに排出されるので体内で過剰になることはありません。
また微量ミネラルで、必要量が少なく通常の食生活で欠乏することはないと言われています。
必要量は少ないですが、上記でわかるように生命活動を維持するのに重要な役割を担っています。
それはその他のミネラルでも言えることです。(マンガン・ヨウ素・クロム・セレンなど)
シトルリン
冬瓜には一酸化窒素の産生を促す作用がある、フィトケミカルのシトルリン(遊離アミノ酸)が含まれています。
一酸化窒素は、血管を広げ血流をよくする働きがあります。
これにより以下の様な効果が期待できます。
- 冷え性改善
- むくみ改善
- 動脈硬化予防
- 筋肉増強
- 運動機能増強
- 免疫力アップ
- 美肌効果
また、シトルリンは抗酸化作用があるため生活習慣病の予防にも役立ちます。
フィトケミカル(ファイトケミカル)とは
植物が紫外線や有害物質、害虫や外敵などから自身を守るために作り出す物質です。
野菜や果物、豆類などの植物性食品に、色素・香り・苦み・あくなどの成分として含まれています。
フィトケミカルは強い抗酸化作用があるため、老化や病気を防ぎ健康を維持するのに役立ちます。
主なフィトケミカル
- カロテノイド(赤・黄・オレンジ色の色素成分)
- ポリフェノール(色素、あくや苦みなどの成分)
- イオウ化合物(にんにくなどの臭いや、大根などの辛み成分)
- フコイダン(食物繊維の一種で海藻に含まれる)
- βグルカン(食物繊維の一種できのこに多く含まれる)
フィトケミカルは多種類を摂ることで機能を発揮するので、色々な食品をバランスよく取ることが大切です。
いかがでしたでしょうか。
冬瓜には皮膚や粘膜を強くし、目や鼻・口腔内・消化器官を健康に保つ葉酸や、二日酔を予防するモリブデンが豊富に含まれています。
ビタミンCは、120mg含まれているため1日の推奨量を軽く超えます。(冬瓜1/8個、約300g)
また、シトルリンにより冷えやむくみなどの改善が期待できます。
旬の時期、ぜひいろいろなお料理に取り入れてみて下さい。
ありがとうございました。