わけぎの旬は2月~4月頃。
わけぎは、ねぎと玉ねぎの雑種です。
ねぎ独特の刺激臭がなく、辛味が少ないのが特徴です。
炒め物やお浸し、スープに入れたり、パスタやチヂミに入れたりといろいろなお料理に使えます。
わけぎの栄養素
ビタミン |
ミネラル |
●ビタミンA | ナトリウム |
□ビタミンE | カリウム |
●ビタミンK | カルシウム |
ビタミンB1 | マグネシウム |
ビタミンB2 | リン |
ナイアシン | 鉄 |
□ビタミンB6 | 亜鉛 |
●葉酸 | 銅 |
パントテン酸 | マンガン |
ビオチン | セレン |
●ビタミンC | モリブデン |
その他
食物繊維
アミノ酸
わけぎには、これらの栄養素が含まれています。
●マークで太字が特に多く含まれ、□マークは次に多い栄養素。
無印のものは含有量が少なめの栄養素です。
100gあたり
●マークと□マークの働きや効果について説明したいと思います。
↓無印の栄養素についてはこちらから
葉ネギ(青ネギ)について書いた事がありますが、わけぎは葉ネギと比べるとビタミンAが1.5倍多く、ビタミンKが1.8倍多く含まれています。
●ビタミンA
ワケギに含まれるβカロテンが体内でビタミンAに変わります。
- 皮膚、粘膜を健康に保つ
- 成長促進
- 抗酸化作用
- ガン予防
- 免疫力アップ
周りが暗くなり慣れてくると見えるようになるのは、ビタミンAがあるからです。
色の違いを見分ける力もビタミンAの働きによるもので、視覚と視力を正常に保つのに不可欠な栄養素です。
不足すると暗い所で物を見る機能が低下します。
ビタミンAは皮膚や消化器官などの上皮の機能を守りウィルスの侵入を防ぎ、また活性酸素を消去する抗酸化作用があるため、ガンや動脈硬化・心疾患などの予防に役立ちます。
不足すると
ビタミンAは、子どもの骨の成長に大事な働きをするため不足すると成長障害などの原因になります。
また、皮膚や粘膜が乾燥し感染症への抵抗力が弱くなり風邪などを引きやすくなります。
そのほか、皮膚や髪がかさつく・消化不良を起こす・爪がもろくなるなどの症状も起こります。
□ビタミンE
- 抗酸化作用
- 血行促進
- 動脈硬化予防
- 性ホルモンのバランスを整える
- 免疫力アップ
- 有害金属の毒性軽減
体内の脂肪組織、筋肉、骨髄、子宮など様々な部位の生体膜に存在しています。
ビタミンEは免疫細胞を活性化すると共に、免疫抑制物質の生成を防ぎます。
また、抗酸化作用により活性酸素を消去しシミやしわの増加を防ぎ、くすみも予防してくれます。
さらに、毛細血管を広げて血行を良くするため、血行不良による冷え性・肩こり・頭痛などの症状も和らげます。
ビタミンEは酸化しやすいですが、ビタミンCと一緒に摂ることで酸化を防ぎます。
●ビタミンK
- 血液凝固成分を作る
- 骨や歯の形成
血液を凝固させるにはビタミンKが必要です。
血液凝固成分により出血しても自然に止血するのです。
また、骨のカルシウム石灰化にも関わり骨の形成に重要な役割を果たしています。
ビタミンKが欠乏すると出血が止まりにくくなります。
また、骨粗しょう症にならないためにもカルシウム・ビタミンDと共に欠乏しないように気を付けなければなりません。
※ビタミンKは、通常摂り過ぎても害がありません。
但し、血栓症にかかっている人や抗血液凝固剤を服用している場合は、摂り過ぎないように気を付けなければなりません。
□ビタミンB6
- 筋肉をつくる
- 脂肪肝の予防
- 脳の興奮を鎮める
- 月経前症候群(PMS)を防ぐ
- 有害金属の毒性軽減
たんぱく質を分解してエネルギーに変え、分解したアミノ酸で筋肉・血液などをつくり
また、脂質もエネルギーに変え脂質が溜まるのを防ぎます。
更に、神経伝達物質の合成を助け脳を正常に保つ働きがあります。
ビタミンB6は、幸せホルモンのセロトニンの合成に関与しているため、精神の安定につながる栄養素です。
ビタミンB6の補充により、気分のむら・イライラ・もの忘れ・不安などの症状が緩和できることがいくつかの研究で示されています。
ビタミンB6は、腸内細菌がつくることもできるので、欠乏症はあまり起こりません。
しかし、たんぱく質の摂取量が多いほど必要になります。
また、妊娠中や月経前・抗生物質を長期服用している場合などは、不足に注意しなければなりません。
欠乏症状
- 食欲不振
- 成長の抑制
- 脂漏性皮膚炎
- 口内炎
- 口角炎
- 結膜炎
- 貧血
- 手足のしびれ
●葉酸(ビタミンB群)
- 貧血予防
- 皮膚、粘膜の強化
- 動脈硬化予防
- 胎児の正常な発育
葉酸は、ビタミンB12と共に全身に酸素を運ぶ赤血球をつくります。
鉄を摂っていても葉酸とビタミンB12が不足すると貧血になります。
皮膚や粘膜を強くする葉酸(ビタミンB12と共に)。
皮膚や粘膜は、最初にウイルスや細菌などの外敵にさらされる器官であるため、強化することで外敵の侵入を防ぐことができ感染症やアレルギーなどを予防することができます。
※体にある粘膜は、鼻や口の中の粘膜・のどの粘膜・胃や腸の粘膜・膀胱や子宮の粘膜などといった様にたくさんの粘膜があります。
ビタミンB12は、魚介類やレバーに多く含まれています。
かつお節出汁や煮干し出汁のお味噌汁などにワケギを入れたり、魚料理にワケギを添えたり、一緒に炒めるなどして食べると良いでしょう。
この葉酸とビタミンB12の組み合わせが、動脈硬化も予防します。
「yutori no kūkan shore with 栗原はるみ」で、良い組み合わせのレシピが紹介されています。
アサリとわけぎのぬた
●ビタミンC
- 抗酸化作用
- コラーゲンの生成
- 鉄の吸収アップ
- 抗ストレス作用
- 抗ヒスタミン作用
- 利尿作用
- ガン予防
- 有害金属の毒性軽減
コラーゲンの合成促進や活性酸素の除去し多くの生理作用に役立ちます。
身体をつくるたんぱく質の1/3はコラーゲン。
コラーゲンは、血管・筋肉・骨・皮膚などの細胞をつなぎ丈夫に保ちます。
ビタミンCは、コラーゲンの合成を助けて皮膚のシミやしわを防ぎ、傷や炎症などが早く治ります。
抗酸化力が強いビタミンCは、体内の酸化を防ぎ動脈硬化を予防します。
また、悪玉のLDLコレステロールを減らし、善玉のHDLコレステロールを増やします。
さらに、血圧上昇の抑制・免疫力アップ・細菌の毒素中和・細菌感染症に対する抵抗力も高め良い事だらけです。
不足すると欠乏症になり、強い疲労感や関節痛などを引き起こします。
水に溶けてしまうビタミンを摂取するには
水溶性ビタミンは、B1・B2・ナイアシン・B6・B12・葉酸・パントテン酸・ビオチン・Cの9種類です。
これらは煮汁に流出し、長時間水にさらしたりすることでも流出してしまいます。
塩ゆでにすると少しは、流出を抑制できるそうですが。
先にカットせずにさっと洗い、蒸したり、またお味噌汁や炒め物などに使用してください。
炒めた時に汁が出てしまった場合
ご飯にかけたり、上手いこと汁まで食べることができる場合は問題ないですが、調理の際にとろみをつけるか春雨に吸わせることで栄養素を摂取することができます。
野菜をよく洗う事で残留農薬を落とすことができますが、農薬を体内に入れずにビタミンを摂取するには無農薬のものを選ぶしかありません。
せっかくビタミンを摂取しても、有害な化学物質を体に取り込んでしまえば意味がありません。
ただ、無農薬野菜は簡単に手に入らないのが現状で、自然食品屋さんで見かけるものも低減農薬のものが殆どです。
※農薬の使用量は野菜により異なり、少量の場合もあれば多量に使用している場合もあります。
時期などにもより、市販のものでも農薬の使用量が少ないものも置いてある場合があります。
ワケギにはビタミン類が豊富に含まれています。
ビタミンA・E・Cは、抗酸化作用があるため老化を防止し、またガンや動脈硬化などの予防にも役立ちます。
ビタミンAや葉酸は、皮膚や粘膜の健康を保つため美肌効果があり、風邪などの予防にも役立ちます。
ぜひ、いろいろなお料理に取り入れてみて下さい。