菜の花は、なばなとも呼ばれ旬は2月頃~3月です。
(種類によっては12月頃から出回るものもあります)
和えたり、パスタやグラタンに入れたり様々な調理法があります。
菜の花の栄養素
ビタミン |
ミネラル |
●ビタミンA | ナトリウム |
●ビタミンE | ●カリウム |
●ビタミンK | ●カルシウム |
●ビタミンB1 | □マグネシウム |
●ビタミンB2 | リン |
□ナイアシン | ●鉄 |
●ビタミンB6 | 亜鉛 |
●葉酸 | □銅 |
●パントテン酸 | □マンガン |
●ビオチン | ヨウ素 |
●ビタミンC | セレン |
クロム | |
●モリブデン |
その他
食物繊維
菜の花には、これらの栄養素が含まれています。
●マークで太字が特に多く含まれ、□マークは次に多い栄養素。
無印のものは含有量が少なめの栄養素です。
●マークの働きや効果について説明したいと思います。
↓□マークと無印の栄養素についてはこちらから
13種類のビタミンは体内でどう働くのか
不足しても過剰になっても病気になる!?必須ミネラルの働き
ビタミンA
菜の花に含まれるβカロテンが体内でビタミンAに変わります。
- 皮膚、粘膜を健康に保つ
- 成長促進
- 抗酸化作用
- ガン予防
- 免疫力アップ
周りが暗くなり慣れてくると見えるようになるのは、ビタミンAがあるからです。
色の違いを見分ける力もビタミンAの働きによるもので、視覚と視力を正常に保つのに不可欠な栄養素です。
不足すると暗い所で物を見る機能が低下します。
ビタミンAは皮膚や消化器官などの上皮の機能を守りウィルスの侵入を防ぎ、また活性酸素を消去する抗酸化作用があるため、ガンや動脈硬化・心疾患などの予防に役立ちます。
不足すると
ビタミンAは、子どもの骨の成長に大事な働きをするため不足すると成長障害などの原因になります。
また、皮膚や粘膜が乾燥し感染症への抵抗力が弱くなり風邪などを引きやすくなります。
そのほか、皮膚や髪がかさつく・消化不良を起こす・爪がもろくなるなどの症状も起こります。
ビタミンE
- 抗酸化作用
- 血行促進
- 動脈硬化予防
- 性ホルモンのバランスを整える
- 免疫力アップ
- 有害金属の毒性軽減
体内の脂肪組織、筋肉、骨髄、子宮など様々な部位の生体膜に存在しています。
ビタミンEは免疫細胞を活性化すると共に、免疫抑制物質の生成を防ぎます。
また、抗酸化作用により活性酸素を消去しシミやしわの増加を防ぎ、くすみも予防してくれます。
さらに、毛細血管を広げて血行を良くするため、血行不良による冷え性・肩こり・頭痛などの症状も和らげます。
ビタミンEは酸化しやすいのでビタミンCと一緒に摂ることで酸化を防ぎますが、菜の花にはビタミンCも多く含まれています。
ビタミンK
- 血液凝固成分を作る
- 骨や歯の形成
血液を凝固させるにはビタミンKが必要です。
血液凝固成分により出血しても自然に止血するのです。
また、骨のカルシウム石灰化にも関わり骨の形成に重要な役割を果たしています。
ビタミンB1
- 疲労回復
- 糖質代謝
- 脳の活性化
- アルツハイマー予防
ビタミンB1は、糖質がエネルギーに変化するのに不可欠な栄養素です。
不足すると炭水化物の分解がうまくいかずブドウ糖が不足するので、集中力や記憶力の低下や疲労感・だるいなどの症状を引き起こします。
また、運動能力が低下することもあります。
ビタミンB2
- 脂質をエネルギーに変える
- 皮膚、粘膜の健康維持
- 成長促進
- 生活習慣病の予防
脂質をエネルギーに変えつつ新しい細胞をつくる手助けをし、皮膚・髪・喉・眼などの健康を維持し、また子どもや胎児の発育を助けます。
炭水化物とたんぱく質をエネルギーに変える働きもあります。
ビタミンB2は、活性酸素を消去する酵素の補酵素として働くため動脈硬化を予防し、また過酸化脂質を分解し排出する働きもあり肥満や生活習慣病も予防します。
ビタミンB6
- 筋肉をつくる
- 脂肪肝の予防
- 脳の興奮を鎮める
- 月経前症候群(PMS)を防ぐ
- 有害金属の毒性軽減
たんぱく質を分解してエネルギーに変え、分解したアミノ酸で筋肉・血液などをつくり、また脂質もエネルギーに変え脂質が溜まるのを防ぎます。
更に、神経伝達物質の合成を助け脳を正常に保つ働きがあります。
ビタミンB6は、幸せホルモンのセロトニンの合成に関与しているため、精神の安定につながる栄養素です。
ビタミンB6の補充により、気分のむら・イライラ・もの忘れ・不安などの症状が緩和できることがいくつかの研究で示されています。
ビタミンB6は、腸内細菌がつくることもできるので、欠乏症はあまり起こりません。
しかし、たんぱく質の摂取量が多いほど必要になります。
また、妊娠中や月経前・抗生物質を長期服用している場合などは、不足に注意しなければなりません。
葉酸(ビタミンB群)
- 貧血予防
- 皮膚、粘膜の強化
- 動脈硬化予防
- 胎児の正常な発育
葉酸は、ビタミンB12と共に全身に酸素を運ぶ赤血球をつくります。
鉄を摂っていても葉酸とビタミンB12が不足すると貧血になります。
皮膚や粘膜を強くする葉酸(ビタミンB12と共に)。
皮膚や粘膜は、最初にウイルスや細菌などの外敵にさらされる器官であるため、強化することで外敵の侵入を防ぐことができ感染症やアレルギーなどを予防することができます。
※体にある粘膜は、鼻や口の中の粘膜・のどの粘膜・胃や腸の粘膜・膀胱や子宮の粘膜などといった様にたくさんの粘膜があります。
ビタミンB12は、魚介類やレバー・焼きのりに多く含まれています。
かつお節出汁や煮干し出汁のお味噌汁に菜の花を入れたり、魚料理に蒸した菜の花を添えたり、一緒に炒めるなどして食べると良いでしょう。
この葉酸とビタミンB12の組み合わせが、動脈硬化も予防します。
↓「オレンジページnet」で、良い組み合わせのレシピが紹介されています。
パントテン酸(ビタミンB群)
- 糖質、脂質、たんぱく質の代謝
- HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす
- ストレス緩和
- 動脈硬化予防
- 美肌、美髪効果
体内に吸収されたパントテン酸は、補酵素のコエンザイムA(CoA)をつくる成分となります。
(CoAは体内に広く分布し幅広い代謝に関わっています。)
パントテン酸は善玉コレステロールを増やす働きがあるため、動脈硬化を予防し、またビタミンB6や葉酸と共に免疫力を高めるために働き、感染症を防ぐ効果があります。
更にビタミンCの働きをサポートしているので、コラーゲンがつくられ健康な皮膚と髪を保つことができます。
ビオチン(ビタミンB群)
- 糖質、脂質代謝
- 皮膚、粘膜、毛髪の健康維持
- 皮膚炎改善
体に取り込まれたビオチンは、酵素たんぱく質と結合し糖質・アミノ酸・脂肪酸の分解に関わる補酵素として働きます。
また、DNAをつくる時にも大事なサポートをします。
たんぱく質をつくる働きがあるビオチンは、皮膚や粘膜・毛髪の新陳代謝を助け健康な状態を維持します。
また、皮膚炎を引き起こす原因物質のヒスタミンがつくられるのを防ぎ、その症状を改善します。
ビオチンは、レバー・魚介類・ナッツ類・卵黄・海藻・納豆など、様々な食品に含まれており通常の食生活をしていれば欠乏する心配はなく、尿中に速やかに排泄されるため過剰症の心配もないと言われています。
ビタミンC
- 抗酸化作用
- コラーゲンの生成
- 鉄の吸収アップ
- 抗ストレス作用
- 抗ヒスタミン作用
- 利尿作用
- ガン予防
- 有害金属の毒性軽減
コラーゲンの合成促進や活性酸素の除去し多くの生理作用に役立ちます。
身体をつくるたんぱく質の1/3はコラーゲン。
コラーゲンは、血管・筋肉・骨・皮膚などの細胞をつなぎ丈夫に保ちます。
ビタミンCは、コラーゲンの合成を助けて皮膚のシミやしわを防ぎ、傷や炎症などが早く治ります。
抗酸化力が強いビタミンCは、体内の酸化を防ぎ動脈硬化を予防します。
また、悪玉のLDLコレステロールを減らし、善玉のHDLコレステロールを増やします。
さらに、血圧上昇の抑制・免疫力アップ・細菌の毒素中和・細菌感染症に対する抵抗力も高め良い事だらけです。
ビタミンCが不足すると欠乏症になり、強い疲労感や関節痛などを引き起こします。
その他ビタミンCの効果
- 抗腫瘍作用
- 尿酸を減らす
- 血液中のアルコール排出促進
- 寒冷抵抗力を高める
- 痛みの軽減
- ウイルスを殺す
- 細菌の毒素中和
ビタミンCが不足する原因
厚生労働省によるビタミンCの食事摂取基準の推奨量は、12歳以上で1日100mgとされています。
ですが、わたしたちはその半分程しか摂取できていないと言われており、またストレスなどによってもビタミンCが多量に消費されています。
体内のビタミンCが不足する原因、不足しやすい人は以下の通りです。
- 飲酒
- 喫煙
- 受動喫煙
- ストレス
- 大気汚染
- 妊婦、授乳婦
- 激しい運動をする人(大量の汗とともにビタミンCが失われます。)
- 病気の人や、薬を常用している人
- 高齢者
水に溶けてしまうビタミンを摂取するには
水溶性ビタミンは、B1・B2・ナイアシン・B6・B12・葉酸・パントテン酸・ビオチン・Cの9種類です。
これらは、煮汁に流出し長時間水にさらしたりすることでも流出してしまいます。
塩ゆでにすると少しは、流出を抑制できるそうですが。
先にカットせず、さっと洗い蒸したり、お味噌汁や炒め物などに使用してください。
炒めた時に汁が出てしまった場合
ご飯にかけたり、上手いこと汁まで食べることができる場合は問題ないですが、調理の際にとろみをつけるか春雨に吸わせることで栄養素を摂取することができます。
野菜をよく洗う事で残留農薬を落とすことができますが、農薬を体内に入れずにビタミンを摂取するには無農薬のものを選ぶしかありません。
せっかくビタミンを摂取しても、有害な化学物質を体に取り込んでしまえば意味がありません。
ただ、無農薬野菜は簡単に手に入らないのが現状で、自然食品屋さんで見かけるものも低減農薬のものばかりです。
※農薬の使用量は野菜により異なり、少量の場合もあれば多量に使用している場合もあります。
時期などにもより、市販のものでも農薬の使用量が少ないものも置いてある場合があります。