スーパーで販売されているマッシュルームは、殆ど菌床栽培のものです。
スライスされたものが少量パスタなどに入っているイメージがありますが、煮たり、炒めたり、揚げたり、スープに入れたり和洋中問わずいろいろなお料理に使えます。
マッシュルームの栄養素
ビタミン |
ミネラル |
ビタミンD | ナトリウム |
ビタミンB1 | カリウム |
□ビタミンB2 | カルシウム |
□ナイアシン | マグネシウム |
ビタミンB6 | リン |
葉酸 | 鉄 |
●パントテン酸 | 亜鉛 |
□ビオチン | ●銅 |
ビタミンC | マンガン |
ヨウ素 | |
●セレン | |
モリブデン |
その他
食物繊維
アミノ酸
マッシュルームには、これらの栄養素が含まれています。
100g(10個)あたり
●マークで太字が特に多く含まれ、□マークは次に多い栄養素。
無印のものは含有量が少なめの栄養素です。
●マークと□マークの働きや効果について説明したいと思います。
↓無印の栄養素についてはこちらから
13種類のビタミンは体内でどう働くのか
不足しても過剰になっても病気になる!?必須ミネラルの働き
□ビタミンB2
- 脂質をエネルギーに変える
- 皮膚、粘膜の健康維持
- 成長促進
脂質をエネルギーに変えつつ新しい細胞をつくる手助けをし、皮膚・髪・喉・眼などの健康を維持し、また子どもや胎児の発育を助けます。
炭水化物とたんぱく質をエネルギーに変える働きもあります。
ビタミンB2は、活性酸素を消去する酵素の補酵素として働くため動脈硬化を予防し、また過酸化脂質を分解し排出する働きもあり肥満や生活習慣病も予防します。
□ナイアシン(ビタミンB群 科学名ニコチン酸)
- 二日酔い予防
- 三大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)の代謝
- 神経の安定
- 皮膚や粘膜の健康維持
ナイアシンは体内でニコチンアミド(NAD)に変化し補酵素として働きます。
NADは、アルコールを分解してアセトアルデヒドという物質にし、さらに分解して無毒な物質に変えます。
また、三大栄養素からエネルギーを作るのに必要な酵素を助ける補酵素として働きます。
脳神経の働きを助け、皮膚や粘膜の健康を保つことにも欠かせません。
●パントテン酸(ビタミンB群)
- 糖質、脂質、たんぱく質の代謝
- HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす
- ストレス緩和
- 美肌、美髪効果
体内に吸収されたパントテン酸は、補酵素のコエンザイムA(CoA)をつくる成分となります。
(CoAは体内に広く分布し幅広い代謝に関わっています。)
パントテン酸は善玉コレステロールを増やす働きがあるため、動脈硬化を予防し、またビタミンB6や葉酸と共に免疫力を高めるために働き、感染症を防ぐ効果があります。
更にビタミンCの働きをサポートしているので、コラーゲンがつくられ健康な皮膚と髪を保つことができます。
□ビオチン(ビタミンB群)
- 糖質、脂質代謝
- 皮膚、粘膜、毛髪の健康維持
- 皮膚炎改善
体に取り込まれたビオチンは、酵素たんぱく質と結合し糖質・アミノ酸・脂肪酸の分解に関わる補酵素として働きます。
また、DNAをつくる時にも大事なサポートをします。
たんぱく質をつくる働きがあるビオチンは、皮膚や粘膜・毛髪の新陳代謝を助け健康な状態を維持します。
また、皮膚炎を引き起こす原因物質のヒスタミンがつくられるのを防ぎ、その症状を改善します。
ビオチンは、レバー・魚介類・ナッツ類・卵黄・海藻・納豆など、様々な食品に含まれており通常の食生活をしていれば欠乏する心配はなく、尿中に速やかに排泄されるため過剰症の心配もないと言われています。
●銅
- 鉄とヘモグロビンの結合補助
- 鉄の吸収促進
- 酸化防止
- 貧血予防
銅は、鉄と共に細胞呼吸やエネルギー代謝に重要な役割を担っています。
活性酸素の消去にも関与しおり、酸化した脂質が血管にたまるのを防いで健康を維持します。
また、鉄の輸送と代謝にも関わっていますので銅が無ければ貧血を予防することはできません。
銅は、摂取量が少ない時は吸収率が高く、多い時は吸収率が低くなり過剰症を防ぎます。
●セレン
- 老化防止
- 更年期障害の改善
- 有害金属の毒性軽減
たんぱく質と結合した形で存在し、活性酸素の働きを止める抗酸化酵素をつくります。
それにより、老化防止・更年期障害の改善・血管や目の働きの低下を予防すると考えられています。
強い抗酸化作用があるビタミンC・ビタミンE・βカロテンなどと一緒に摂る事でセレンの働きがアップすると言われています。
また、ビタミンCの再生や甲状腺ホルモンの活性化にも関わっています。
βグルカン
きのこには、フィトケミカルのβグルカン(不溶性食物繊維)が含まれています。
腸内の免疫細胞に直接働きかけて免疫力を高めてくれるβグルカン。
感染症の予防や、アレルギーの予防・改善などの効果が期待できます。
また白血球やリンパ球を活性化し、がん細胞の発育を抑制するとされています。
フィトケミカル(ファイトケミカル)とは
植物が紫外線や有害物質、害虫や外敵などから自身を守るために作り出す物質です。
野菜や果物、豆類などの植物性食品に、色素・香り・苦み・あくなどの成分として含まれています。
ベタイン
きのこには、甘みや旨みの成分であるベタイン(アミノ酸の一種)も多く含まれています。
- がん予防
- 肝機能改善
- コレステロールを下げる
- 動脈硬化予防
- 糖尿病予防
ベタインは脂肪が肝臓へ沈着するのを防いだり、肝臓の機能を高める働きがあるため、肝硬変や脂肪肝の予防に役立ちます。
また、体内のホモシステイン濃度を低下させると言われています。
ホモシステインは血中に存在するアミノ酸の一種で、このホモシステインレベル濃度が高いと、骨粗鬆症や動脈硬化などを引き起こすと言われています。
ベタインは血糖値の急激な上昇を抑える働きや、コレステロール値の上昇を抑制する働きもあります。
ベタインはキノコの他、ほうれん草やビーツにも多く含まれています。
キトサン
また、不溶性食物繊維のキトサンも含まれています。
がん細胞の増殖を抑制したり、肝機能を強化するなどの作用が期待されています。
食物繊維
- 正常なコレステロール値を保つ
- 血糖値の上昇を緩やかにする
- 高血圧の上昇を抑制
- がん予防
- 有害金属の排泄促進
- 整腸作用
- 免疫力アップ
食物繊維は、脂肪の吸収を緩やかにします。
余分なナトリウムや脂肪・コレステロールを包み込んで排出させたり、有害物質や発がん物質を吸着し早く体の外に追い出したり、腸の掃除などをしてくれます。
また、糖質の消化吸収がゆっくりになり、血糖値の上昇を抑えるため糖尿病の予防にもなります。
更に、消化管内で膨潤し食塊のかさを増し、胃内での滞留時間を延長させますので過食を防ぐことができます。
免疫機能の60~70%は「腸」に集中しているため、腸内環境を整えることは免疫力を高めることに繋がります。
腸の健康をつくっている善玉菌は、食物繊維の摂取によって増やすことができます。
いかがでしたでしょうか。
マッシュルームは、糖脂質を代謝したり粘膜の健康を維持するビタミン類が豊富に含まれています。
粘膜が弱ると目が疲れやすくなったり、口腔内や喉・鼻などに何らかのトラブルが起こるため
栄養素で健康を維持しなくてはなりません。
老化防止に役立つミネラルのセレンは、きのこの中では飛びぬけて多く含まれています。
ぜひ、いろいろなお料理に取り入れてみて下さい。
ブラウンマッシュルームとホワイトマッシュルームがありますが栄養素は変わらないそうです。
きのこには、脂溶性ビタミンが含まれているので油脂と合わせて摂取するのが良いですが、水溶性ビタミンも含まれているため野菜などと炒めた際に煮汁が出る場合は、片栗粉でとろみを付けるか、春雨を入れて煮汁を吸わせることでしっかりとどちらのビタミンも摂取する事ができます。
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