ここからはルッコラに多く含まれるミネラルについてです。
□カリウム
- 浸透圧の調整
- 心臓や筋肉の機能調整
- 高血圧予防
- 利尿作用
カリウムの多くは、細胞内に分布しています。
細胞外液に多く分布するナトリウムと協力して心臓の拍動や神経伝達をスムーズに調整します。
水分量も調節し筋肉も動かしています。
また、カリウムを摂取することでナトリウムの排出を促し血圧を正常に保ちます。
酸とアルカリの平衡を保ち、酵素反応を調整しエネルギー代謝にも関与しています。
ナトリウムと協力して働くカリウム
ルッコラ自体は、ナトリウムが少なめですが現代人は塩分過多気味の人が多く、通常の食事をしていれば体内のナトリウムが欠乏するような事はありません。
塩分過多により体内調整でカリウムが使われ、カリウム欠乏にならないように気を付けなければなりません。
つまり、塩分の摂り過ぎに気を付け、カリウムを積極的に摂ることが大切です。
注 カリウムは腎不全の場合には禁忌です。
また、腎臓の機能が低下している人はカリウム制限が必要になります。
□カルシウム
- 骨、歯を形成
- 神経の興奮の抑制
- pHの調節
- 心筋、筋肉の収縮
- 血液凝固
- 有害金属の毒性軽減
成人の体内に約1kg存在するカルシウム。
その99%は骨や歯などの硬い組織に存在しています。
残り1%は、血液凝固や心臓・血管・筋肉のなどに関与しています。
また、神経活動やホルモン分泌などにも関与しており体にとって重要な役割を担っています。
この様に機能するためにはマグネシウムが必須ですが、ルッコラにはマグネシウムも入っています。
□マグネシウム
- 神経の興奮を抑制
- 筋肉の収縮
- 酵素の活性化
- 有害金属の毒性軽減
様々な代謝反応に必要なミネラルで約70%は骨に分布しています。
マグネシウムが欠乏すると、カルシウムと共に骨から溶出され骨や歯がもろくなります。
また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病に関連すると言われています。
マグネシウムとカルシウムはバランスが重要で1:2が理想とされています。
マグネシウムが不足する原因
- 糖質、脂質の摂り過ぎ
- アルコールの摂り過ぎ
- 加工食品や清涼飲料水の摂り過ぎ
- ストレス
また、たんぱく質が足りないとマグネシウムの吸収が遅れます。
□マンガン
- 骨、脂質、皮膚の代謝や成長を助ける
様々な酵素をつくるのに必要なマンガン。
土壌、淡水、海水などに広く分布しています。
食品には、穀類や種実類などに多く含まれています。
マンガンは、骨に最も多く含まれ成長期には骨の発育に欠かせません。
酸化ストレスに対抗するためにも必要なミネラルです。
また、糖質や脂質の代謝を助ける酵素をつくるためにも必要です。
その為、不足すると逆に糖脂質・骨・皮膚の代謝などに影響を及ぼし生殖機能も低下すると言われています。
イソチオシアネート
ルッコラには、フィトケミカルのイソチオシアネート(辛み成分)が含まれています。
- 殺菌作用
- 血栓予防
- 食欲増進
- 解毒作用
- がん予防
- 免疫細胞を増やす
胃腸を刺激し食欲を増進させます。
また、発がん性物質の活性化を抑える作用も期待されます。
イソチオシアネートを多く摂っている人は、ほとんど摂っていない人に比べ、がんの発症リスクがおよそ40%抑えられたという報告があります。
加熱により半減してしまうイソチオシアネート。
細かく刻み生で食べることで効率よく摂取することができます。
フィトケミカル(ファイトケミカル)とは
植物が紫外線や有害物質、害虫や外敵などから自身を守るために作り出す物質です。
野菜や果物、豆類などの植物性食品に、色素・香り・苦み・あくなどの成分として含まれています。
フィトケミカルは強い抗酸化作用があるため、老化や病気を防ぎ健康を維持するのに役立ちます。
主なフィトケミカル
- カロテノイド(赤・黄・オレンジ色の色素成分)
- ポリフェノール(色素、あくや苦みなどの成分)
- イオウ化合物(にんにくなどの臭いや、大根などの辛み成分)
- フコイダン(食物繊維の一種で海藻に含まれる)
- βグルカン(食物繊維の一種できのこに多く含まれる)
フィトケミカルは多種類を摂ることで機能を発揮するので、色々な食品をバランスよく取ることが大切です。
ルッコラには、ビタミンが豊富に含まれています。
ビタミンA・E・Cは、抗酸化作用に優れているため生活習慣病の予防に役立ちます。
また、これらの栄養素は皮膚や粘膜を強くするため、風邪予防・美肌や美髪効果も期待できます。
その他、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルも豊富に含まれているので、ぜひいろいろなお料理に取り入れてみて下さい。
ありがとうございました。