牡蠣の旬は12月~2月頃です。
生はもちろん、炒めたりお鍋やグラタン・アヒージョなど和洋中問わず使えます。
牡蠣の栄養素
ビタミン |
ミネラル |
ビタミンA | □ナトリウム |
□ビタミンE | カリウム |
ビタミンB1 | カルシウム |
ビタミンB2 | □マグネシウム |
ナイアシン | リン |
ビタミンB6 | □鉄 |
●ビタミンB12 | ●亜鉛 |
□葉酸 | ●銅 |
パントテン酸 | マンガン |
ビオチン | ●ヨウ素 |
ビタミンC | ●セレン |
クロム | |
□モリブデン |
その他
アミノ酸
牡蠣には、これらの栄養素が含まれています。
100g(5個)あたり
●マークで太字が特に多く含まれ、□マークは次に多い栄養素。
無印のものは含有量が少なめの栄養素です。
●マークの働きや効果について説明したいと思います。
↓□マークと無印の栄養素についてはこちらから
ビタミンB12
- 貧血予防
- 神経細胞を正常に戻す
- メラトニンの生成
ビタミンB12は、葉酸と共にたんぱく質やアミノ酸の代謝で補酵素として働きます。
また、脳の神経細胞の細胞膜に入り込み修復や合成を助けます。
傷ついた神経細胞を正常に戻し、手足のしびれや肩こりを和らげる働きがあります。
赤血球をつくるのに必要な栄養素なため、貧血を予防しますが葉酸と一緒に摂取することが大切です。
妊娠期や授乳期には不足しないように気を付けなければなりません。
妊娠期に不足すると、貧血やむくみを引き起こし流産の危険もあると言われています。
授乳期の不足は、貧血のほか乳児の発達障害や運動障害を引き起こす危険性があります。
ビタミンB12は、レバーや魚介類に多く含まれているため、ベジタリアンの人は納豆や味噌などの発酵食品から摂取する必要があります。
亜鉛
- 細胞の生成、成長促進
- インスリンの合成を促進
- 免疫力アップ
- 抗酸化作用(ビタミンAのもつ抗酸化作用の活性促進)
- 味覚を正常に保つ
- 精神安定
亜鉛は、体内の300種類を超える酵素の構成成分としてたんぱく質合成など様々な反応に関与し、生命活動に欠かせない重要なミネラルです。
血糖値を下げるインスリン、生殖に必要な女性ホルモンと男性ホルモンなど、重要な働きをするホルモンの合成や分泌に不可欠です。
また、糖代謝・アルコール代謝・細胞内の抗酸化作用にも関わっています。
亜鉛は、味を感じる味蕾(みらい)という細胞をつくる働きをしており、不足すると味覚障害を引き起こします。
神経伝達物質を作るのにも必要な亜鉛。
亜鉛が体内に十分にあることで、精神安定や脳の機能を高める効果があると考えられています。
亜鉛欠乏による病気や症状
- 味覚、嗅覚障害
- 食欲不振
- 免疫機能低下
- 貧血
- 血糖値上昇
- 爪が欠ける
- 成長遅延
- 精神障害(うつなど)
- 生殖機能低下
- 骨形成異常
- 損傷部位治癒力低下(傷が治りにくくなる)
- 毛髪の発育が悪くなる(切れ毛、枝毛、抜け毛)
- 肌荒れ
- 夜盲症
- 慢性下痢
成長期の子どもやストレスがかかっている時は、亜鉛の需要が高まり欠乏しやすくなります。
ダイエット中なども欠乏しないよう注意が必要です。
※サプリメントで長期にわたり亜鉛を摂取している場合は、知らない間に過剰になり鉄や銅の吸収を妨げてしまう可能性があるので注意が必要です。
鉄や銅が欠乏すると善玉コレステロール値が低下するなど様々な症状や病気を引き起こしてしまいます。
銅
- 鉄とヘモグロビンの結合補助
- 鉄の吸収促進
- 酸化防止
- 貧血予防
銅は、鉄と共に細胞呼吸やエネルギー代謝に重要な役割を担っています。
活性酸素の消去にも関与しおり、酸化した脂質が血管にたまるのを防いで健康を維持します。
また、鉄の輸送と代謝にも関わっていますので銅が無ければ貧血を予防することはできません。
銅は、摂取量が少ない時は吸収率が高く、多い時は吸収率が低くなり過剰症を防ぎます。
ヨウ素
- 甲状腺ホルモンをつくる
- 成長、発達に関与
- エネルギー代謝促進
甲状腺ホルモンの材料になるヨウ素は、体内の代謝・成長に関わっています。
甲状腺ホルモンは、細胞の活動を高めて骨形成やたんぱく質の合成を増加させ交感神経の働きを活発にします。
また、皮膚や髪や爪を常に健康な状態に保ち、脳や知能の発達を助けます。
そのため、甲状腺ホルモンの材料になるヨウ素は、乳幼児や成長期の子どもにとって特に必要なミネラルです。
妊娠中のヨウ素欠乏は、胎児の脳や身体の発達が遅れることがあります。
注 ヨウ素を長期間過剰摂取したり、体内で欠乏すると甲状腺機能に異常が生じます。
セレン
- 老化防止
- 更年期障害の改善
- 有害金属の毒性軽減
たんぱく質と結合した形で存在し、活性酸素の働きを止める抗酸化酵素をつくります。
それにより、老化防止・更年期障害の改善・血管や目の働きの低下を予防すると考えられています。
強い抗酸化作用があるビタミンC・ビタミンE・βカロテンなどと一緒に摂る事でセレンの働きがアップすると言われています。
また、ビタミンCの再生や甲状腺ホルモンの活性化にも関わっています。
フコキサンチン
牡蠣には、フコキサンチン(カロテノイドの一種)が含まれています。
血中の脂肪を減らして、血糖値の上昇を抑える働きがあるため、皮下脂肪を減らすと言われています。
動物実験ではフコキサンチンが、メタボの原因となる白色脂肪細胞に脂肪燃焼させ、
内臓脂肪を減らすことがわかっています。
白色脂肪細胞
特にお腹周りやお尻・太もも・背中などの皮下脂肪と呼ばれるもの、内臓の周りにつく内臓脂肪と呼ばれるものがあります。
以上の事からフコキサンチンは、肥満改善・動脈硬化予防・糖尿病予防などに効果があると言えます。
また、フコキサンチンには抗酸化作用もあります。
活性酸素
活性酸素は、体を作っている脂質やたんぱく質などを傷つけ過酸化脂質を発生させます。
そして過酸化脂質は、ガンなど様々な病気の元になり、またシミやしわなども引き起こします。
よって体内の活性酸素を増やさないように気を付け、減らすことで老化を防止し健康を維持できます。
活性酸素は、抗酸化作用のあるカロテノイドを摂取する事で抑制できます。
また、ビタミンA・E・Cやポリフェノールも強い抗酸化作用があります。
※体内には、活性酸素を消去する機能が備わっていますが、この機能は加齢とともに低下します。
活性酸素が増える原因
- 喫煙
- 大量の飲酒
- ストレス
- 栄養の偏り
- 紫外線
- 排気ガス
- 農薬
いかがでしたでしょうか。
牡蠣と言えば、亜鉛が豊富なイメージがありますが、亜鉛のほか葉酸と共に貧血を予防し、神経細胞を正常に保つ働きがあるビタミンB12や、老化防止や更年期障害の改善に役立つセレンなども豊富に含まれています。
亜鉛の1日の摂取目安と耐容上限量
成人男性9~10mg/45mg
成人女性7~8mg/35mg
牡蠣5個で13mgの亜鉛を摂取することができます。
ストレスなどで亜鉛が欠乏しやすくなるとは言え、耐容上限量は超えないように注意しましょう。
ありがとうございました。