ハマグリの旬は2月~4月頃です。
お吸い物や炊き込みご飯、パスタなど色々なお料理に使えます。
ハマグリの栄養素
ビタミン |
ミネラル |
ビタミンA | □ナトリウム |
ビタミンE | カリウム |
ビタミンB1 | □カルシウム |
ビタミンB2 | □マグネシウム |
ナイアシン | リン |
ビタミンB6 | □鉄 |
●ビタミンB12 | □亜鉛 |
葉酸 | 銅 |
パントテン酸 | マンガン |
ビタミンC |
その他
アミノ酸
ハマグリには、これらの栄養素が含まれています。
可食部7個 105gあたり(1個 15g)
●マークで太字が特に多く含まれ、□マークは次に多い栄養素。
無印のものは含有量が少なめの栄養素です。
●マークと□マークの働きや効果について説明したいと思います。
↓無印の栄養素についてはこちらから
13種類のビタミンは体内でどう働くのか
不足しても過剰になっても病気になる!?必須ミネラルの働き
●ビタミンB12
- 貧血予防
- 神経細胞を正常に戻す
- メラトニンの生成
- 抗酸化作用
ビタミンB12は、葉酸と共にたんぱく質やアミノ酸の代謝で補酵素として働きます。
また、脳の神経細胞の細胞膜に入り込み修復や合成を助けます。
傷ついた神経細胞を正常に戻し、手足のしびれや肩こりを和らげる働きがあります。
赤血球をつくるのに必要な栄養素なため、貧血を予防しますが葉酸と一緒に摂取することが大切です。
妊娠期や授乳期には不足しないように気を付けなければなりません。
妊娠期に不足すると、貧血やむくみを引き起こし流産の危険もあると言われています。
授乳期の不足は、貧血のほか乳児の発達障害や運動障害を引き起こす危険性があります。
ビタミンB12は、レバーや魚介類に多く含まれているため、ベジタリアンの人は納豆や味噌などの発酵食品から摂取する必要があります。
□ナトリウム
- 体内の水分調節
- 筋肉、内臓を動かす
- 筋肉や神経の働きを正常に保つ
ナトリウムは、体内の水分量を調節して正常に保ち、神経や筋肉の働きを助けるミネラルです。
カリウムと協力し体内の水分量を調節するほか、筋肉を収縮させたりゆるませたり内臓も動かしています。
更に、神経が情報を全身に伝えたり、糖やアミノ酸の腸管での吸収にも関わっています。
過剰による病気や症状
健康な人の一時的な摂り過ぎは心配する必要は無いと言われています。
毎日の食生活である程度、塩分を意識していないと長期的に摂り過ぎることになり高血圧などを引き起こします。
高塩分の食事を続けると、ナトリウムとカリウムのバランスが崩れ、喉の渇きやむくみなどが起こる場合があります。
また、高血圧になると血管や心臓に負担がかかり、動脈硬化・心筋梗塞・不整脈・心不全などの重大な病気につながります。
ハマグリ7個でナトリウムは約780mg、食塩の量に換算すると約2g。
厚生労働省による食塩の1日の目標量は、男性8g以下で女性7g以下です。
1日3食の場合、目標量は軽く超え、目標量を意識し過ぎれば食べるものが制限され、その他の栄養素が欠乏する可能性があります。
ナトリウムは、尿や便・汗に交じって毎日排出されています。
1日に摂取する塩分量が30g以下なら、高血圧に影響の無いことが大規模な疫学調査で報告されています。
日々、良質な水をしっかり摂取しつつ、塩分が多いスナック菓子やインスタント食品などを食べ過ぎないことが大切です。
漬物や味噌などの発酵食品も塩分が多いですが、そのほか様々な栄養素が豊富に含まれています。
含まれる栄養素はスナック菓子などとは比になりません。
□カルシウム
- 骨や歯を作り強くする
- 神経の興奮の抑制
- 免疫力を高める
- ホルモンの分泌を調整
- 筋肉や内臓を動かす
- 血液を凝固させる
- pHの調節
- 有害金属の毒性軽減
カルシウムの99%が骨と歯などの硬い組織に分布し、骨から出たり入ったり絶えず作り直されています。
残りの1%は細胞や血液中に分布しており、心臓や筋肉が正常に収縮するのを保つ働きをしています。
また、血液凝固・血管・神経活動、ホルモン分泌などにも関与しており、不足すると骨がもろくなるだけでなく、イライラや神経過敏なども出てくることがあります。
日本人は、慢性的にカルシウムが不足している状態と言われています。
ただ、サプリメントで摂り過ぎになることもあります。
摂り過ぎが続くと、頭痛・筋肉痛・腎臓結石・尿路結石などになる場合があります。
マグネシウムや鉄・亜鉛などのミネラルの吸収も阻害されるようになります。
欠乏による病気や症状
血液中のカルシウム濃度は、常に一定に保たれていなければなりません。
血液中のカルシウム濃度が低下すると、濃度を保つために骨のカルシウムが血液中に溶けだすため、骨の形成が阻害されます。
また、骨から必要以上のカルシウムが流し出されると、血管や脳などに入り込みそれが沈着することによって、さまざまな病気を引き起こします。
カルシウム不足が続くと、以下の様な症状などを引き起こすことがわかっています。
- ピクピクとまぶたがけいれんする
- 神経過敏
- うつ
- もの忘れが多くなる
- 免疫異常
- 動悸
- 手足のしびれ
- 足がつる
- 骨粗しょう症
- 肩こり、腰痛
- 変形性関節痛
- 腫瘍
- 高血圧
- 糖尿病
- 動脈硬化
欠乏する原因
普段カルシウムを摂っているつもりでも、以下の行動や、閉経後のホルモン変化などにより不足の状態になってしまう場合があります。
- 多量飲酒 カルシウムが尿に排出されやすくなる。
- 喫煙 胃腸の働きを悪くしカルシウムの吸収を妨げる。
- 必要以上の塩分・糖質・脂質・たんぱく質の摂り過ぎ カルシウムの吸収を妨げる。
- 加工食品などに含まれるリンの摂り過ぎ 骨のカルシウムが減少し、カルシウムの吸収を妨げる。
- 閉経後のホルモンの変化 腸でのカルシウムの吸収低下や、カルシウムの吸収を助けるビタミンDをつくる働きが弱くなる。
- ビタミンD不足 腸や腎臓でのカルシウム吸収率低下。
- 過度のストレス 腸でのカルシウムの吸収を妨げる。
カルシウムが機能するにはマグネシウムが必須ですが、ハマグリにはマグネシウムも含まれています。
□マグネシウム
- 神経の興奮を抑制
- 筋肉の収縮
- 酵素の活性化
- 有害金属の毒性軽減
様々な代謝反応に必要なミネラルで約70%は骨に分布しています。
マグネシウムが欠乏すると、カルシウムと共に骨から溶出され骨や歯がもろくなります。
また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病に関連すると言われています。
マグネシウムとカルシウムはバランスが重要で1:2が理想とされています。
マグネシウムが不足する原因
- 糖質、脂質の摂り過ぎ
- アルコールの摂り過ぎ
- 加工食品や清涼飲料水の摂り過ぎ
- ストレス
また、たんぱく質が足りないとマグネシウムの吸収が遅れます。
□鉄
- 貧血予防
- 筋肉を動かす
- 有害金属の毒性軽減
血液中の赤血球にあるヘモグロビンは、たんぱく質のグロビンとヘムが結合した色素たんぱく質です。
ヘモグロビンは、全身に酸素を運んでおり、鉄はヘムをつくるのに不可欠な成分です。
鉄は、筋肉のミオグロビンと結合して酸素の運搬と貯蔵を行っています。
その為、鉄が欠乏すると酸素を取り込めなくなり筋力が低下します。
また、解毒に必要なシントクロムという酵素をつくるのに必要です。
シントクロムは、ホルモンをつくったり脂肪酸の代謝にも関わっています。
※鉄はビタミンCと一緒に摂ることで吸収を良くします。
□亜鉛
- 味覚を正常に保つ
- 細胞の生成、成長促進
- インスリンの合成を促進
- 免疫力アップ
亜鉛は、体内の300種類を超える酵素の構成成分としてたんぱく質合成など様々な反応に関与し、生命活動に欠かせない重要なミネラルです。
血糖値を下げるインスリン、生殖に必要な女性ホルモンと男性ホルモンなど、重要な働きをするホルモンの合成や分泌に不可欠です。
また、糖代謝・アルコール代謝・細胞内の抗酸化作用にも関わっています。
亜鉛は、味を感じる味蕾(みらい)という細胞をつくる働きをしており、不足すると味覚障害を引き起こします。
※サプリメントで長期にわたり亜鉛を摂取している場合、知らない間に過剰になり鉄や銅の吸収を妨げてしまう可能性があるので注意が必要です。
鉄や銅が欠乏すると善玉コレステロール値が低下するなど様々な症状や病気を引き起こしてしまいます。
亜鉛欠乏による病気や症状
- 味覚、嗅覚障害
- 食欲不振
- 免疫機能低下
- 貧血
- 皮膚障害
- 爪が欠ける
- 成長遅延
- 精神障害
- 生殖機能低下
- 骨形成異常
- 損傷部位治癒力低(傷が治りにくくなる)
- 毛髪の発育が悪くなる(切れ毛、枝毛、抜け毛)
- 肌荒れ
- 夜盲症
- 慢性下痢
成長期の子どもやストレスがかかっている時は、亜鉛の需要が高まり欠乏しやすくなります。
ダイエット中なども欠乏しないよう注意が必要です。
免疫力をアップさせるミネラルの亜鉛 不足すると?どんな食べ物に入ってる?
いかがでしたでしょうか。
ハマグリには、手足のしびれや肩こりを和らげる働きがあるビタミンB12が豊富に含まれており、また神経の興奮を抑制したり、筋肉を収縮させるカルシウムやマグネシウムも含まれています。
ハマグリは、炒め物やチャーハン・スープ・グラタンなどいろいろな調理法があります。
ぜひ、お料理に取り入れてみて下さい。
ありがとうございました。