サラダ菜は、産地を変えながら通年出回っています。
葉は、柔らかくほんのり甘みがあるのが特徴です。
サラダや炒め物、スープなど色々なお料理に使える食材です。
サラダ菜の栄養素
●ビタミンA ナトリウム
●ビタミンE ●カリウム
●ビタミンK □カルシウム
ビタミンB1 マグネシウム
□ビタミンB2 リン
ナイアシン ●鉄
□ビタミンB6 亜鉛
●葉酸 銅
パントテン酸
●ビタミンC
その他
食物繊維
アミノ酸
サラダ菜には、これらの栄養素が含まれています。
●マークで太字が特に多く含まれ、□マークは次に多い栄養素。
無印のものは含有量が少なめの栄養素です。
1個(約120g)あたり
●マークの働きや効果について説明したいと思います。
↓□マークと無印の栄養素についてはこちらから
13種類のビタミンは体内でどう働くのか
不足しても過剰になっても病気になる!?必須ミネラルの働き
前回、サニーレタスの栄養素について書きましたが、サラダ菜はサニーレタスと比べると、ビタミンA・ビタミンE・リン・鉄の含有量が多いです。
ビタミンK、B1、B6、葉酸、C・カルシウムについてはサニーレタスの方が多く含まれています。
サニーレタスには、マンガンが含まれていますがサラダ菜には含まれていません。
ビタミンA
サラダ菜に含まれるβカロテンが体内でビタミンAに変わります。
- 皮膚、粘膜を健康に保つ
- 成長促進
- 抗酸化作用
- ガン予防
- 免疫力アップ
周りが暗くなり慣れてくると見えるようになるのは、ビタミンAがあるからです。
色の違いを見分ける力もビタミンAの働きによるもので、視覚と視力を正常に保つのに不可欠な栄養素です。
不足すると暗い所で物を見る機能が低下します。
ビタミンAは皮膚や消化器官などの上皮の機能を守りウィルスの侵入を防ぎ、また活性酸素を消去する抗酸化作用があるため、ガンや動脈硬化・心疾患などの予防に役立ちます。
不足すると
ビタミンAは、子どもの骨の成長に大事な働きをするため不足すると成長障害などの原因になります。
また、皮膚や粘膜が乾燥し感染症への抵抗力が弱くなり風邪などを引きやすくなります。
そのほか、皮膚や髪がかさつく・消化不良を起こす・爪がもろくなるなどの症状も起こります。
ビタミンE
- 抗酸化作用
- 血行促進
- 動脈硬化予防
- 性ホルモンのバランスを整える
- 免疫力アップ
- 有害金属の毒性軽減
体内の脂肪組織、筋肉、骨髄、子宮など様々な部位の生体膜に存在しています。
ビタミンEは免疫細胞を活性化すると共に、免疫抑制物質の生成を防ぎます。
また、抗酸化作用により活性酸素を消去しシミやしわの増加を防ぎ、くすみも予防してくれます。
さらに、毛細血管を広げて血行を良くするため、血行不良による冷え性・肩こり・頭痛などの症状も和らげます。
ビタミンEは酸化しやすいためビタミンCと一緒に摂ることで酸化を防ぎますが、サラダ菜にはビタミンCも多く含まれています。
ビタミンK
- 血液凝固成分を作る
- 骨や歯の形成
血液を凝固させるにはビタミンKが必要です。
血液凝固成分により出血しても自然に止血するのです。
また、骨のカルシウム石灰化にも関わり骨の形成に重要な役割を果たしています。
ビタミンKが欠乏すると出血が止まりにくくなります。
また、骨粗しょう症にならないためにもカルシウム・ビタミンDと共に欠乏しないように気を付けなければなりません。
※ビタミンKは、通常摂り過ぎても害がありません。
但し、血栓症にかかっている人や抗血液凝固剤を服用している場合は、摂り過ぎないように気を付けなければなりません。
葉酸(ビタミンB群)
- 貧血予防
- 皮膚、粘膜の強化
- 動脈硬化予防
- 胎児の正常な発育
葉酸は、ビタミンB12と共に全身に酸素を運ぶ赤血球をつくります。
鉄を摂っていても葉酸とビタミンB12が不足すると貧血になります。
皮膚や粘膜を強くする葉酸(ビタミンB12と共に)。
皮膚や粘膜は、最初にウイルスや細菌などの外敵にさらされる器官であるため、強化することで外敵の侵入を防ぐことができ感染症やアレルギーなどを予防することができます。
※体にある粘膜は、鼻や口の中の粘膜・のどの粘膜・胃や腸の粘膜・膀胱や子宮の粘膜などといった様にたくさんの粘膜があります。
ビタミンB12は、魚介類やレバーに多く含まれています。
かつお節出汁や煮干し出汁のスープなどにサラダ菜を入れたり、魚料理にサラダ菜を添えたり、一緒に炒めるなどして食べると良いでしょう。
またビタミンB12は、焼きのりにも多く含まれています。
この葉酸とビタミンB12の組み合わせが、動脈硬化も予防します。
↓「レタスクラブニュース」で、良い組み合わせのレシピが紹介されています。
ビタミンC
- 抗酸化作用
- コラーゲンの生成
- 鉄の吸収アップ
- 抗ストレス作用
- 抗ヒスタミン作用
- 利尿作用
- ガン予防
- 有害金属の毒性軽減
コラーゲンの合成促進や活性酸素の除去し多くの生理作用に役立ちます。
身体をつくるたんぱく質の1/3はコラーゲン。
コラーゲンは、血管・筋肉・骨・皮膚などの細胞をつなぎ丈夫に保ちます。
ビタミンCは、コラーゲンの合成を助けて皮膚のシミやしわを防ぎ、傷や炎症などが早く治ります。
抗酸化力が強いビタミンCは、体内の酸化を防ぎ動脈硬化を予防します。
また、悪玉のLDLコレステロールを減らし、善玉のHDLコレステロールを増やします。
さらに、血圧上昇の抑制や免疫力アップ・細菌感染症に対する抵抗力も高め良い事だらけです。
ビタミンCが不足すると欠乏症になり、強い疲労感や関節痛などを引き起こします。
その他ビタミンCの効果
- 抗腫瘍作用
- 尿酸を減らす
- 血液中のアルコール排出促進
- 寒冷抵抗力を高める
- 痛みの軽減
- ウイルスを殺す
- 細菌の毒素中和
ビタミンCが不足する原因
厚生労働省によるビタミンCの食事摂取基準の推奨量は、12歳以上で1日100mgとされています。
ですが、わたしたちはその半分程しか摂取できていないと言われており、またストレスなどによってもビタミンCが多量に消費されています。
体内のビタミンCが不足する原因、不足しやすい人は以下の通りです。
- 飲酒
- 喫煙
- 受動喫煙
- ストレス
- 大気汚染
- 妊婦、授乳婦
- 激しい運動をする人(大量の汗とともにビタミンCが失われます。)
- 病気の人や、薬を常用している人
- 高齢者
活性酸素
活性酸素は、体を作っている脂質やたんぱく質などを傷つけ過酸化脂質を発生させます。
そして過酸化脂質は、ガンなど様々な病気の元になり、またシミやしわなども引き起こします。
よって体内の活性酸素を増やさないように気を付け、減らすことで老化を防止し健康を維持できます。
活性酸素は、抗酸化作用のあるビタミンA・E・Cを摂取する事で抑制できます。
※体内には、活性酸素を消去する機能が備わっていますが、この機能は加齢とともに低下します。
活性酸素が増える原因
- 喫煙
- 受動喫煙
- 大量の飲酒
- 過度のストレス
- 過度の運動
- 栄養の偏り
- 紫外線
- 排気ガス
- 農薬
キャベツには糖質・脂質の代謝に欠かせない栄養素が入っている!?
カリウム
- 浸透圧の調整
- 心臓や筋肉の機能調整
- 高血圧予防
- 利尿作用
カリウムの多くは、細胞内に分布しています。
細胞外液に多く分布するナトリウムと協力して心臓の拍動や神経伝達をスムーズに調整します。
水分量も調節し筋肉も動かしています。
また、カリウムを摂取することでナトリウムの排出を促し血圧を正常に保ちます。
酸とアルカリの平衡を保ち、酵素反応を調整しエネルギー代謝にも関与しています。
ナトリウムと協力して働くカリウム
サラダ菜自体は、ナトリウムが少なめですが現代人は塩分過多気味の人が多く、通常の食事をしていれば体内のナトリウムが欠乏するような事はありません。
塩分過多により体内調整でカリウムが使われ、カリウム欠乏にならないように気を付けなければなりません。
つまり、塩分の摂り過ぎに気を付け、カリウムを積極的に摂ることが大切です。
カリウムは水溶性のため調理の際は失わないように気を付けましょう。
注 カリウムは腎不全の場合には禁忌です。
また、腎臓の機能が低下している人はカリウム制限が必要になります。
鉄
- 貧血予防
- 筋肉を動かす
- 有害金属の毒性軽減
血液中の赤血球にあるヘモグロビンは、たんぱく質のグロビンとヘムが結合した色素たんぱく質です。
ヘモグロビンは、全身に酸素を運んでおり、鉄はヘムをつくるのに不可欠な成分です。
鉄は、筋肉のミオグロビンと結合して酸素の運搬と貯蔵を行っています。
そのため、鉄が欠乏すると酸素を取り込めなくなり筋力が低下します。
また、解毒に必要なシントクロムという酵素をつくるのに必要です。
シントクロムは、ホルモンをつくったり脂肪酸の代謝にも関わっています。
体内でコラーゲンを合成する際に必要なのは、鉄とビタミンCです。
そのため、鉄が不足するとコラーゲンが合成できず、ハリが無くなりシワができやすくなります。
レバーなど動物性食品に含まれているのは「ヘム鉄」。
吸収率が低い非ヘム鉄は、動物性たんぱく質や、ビタミンCが多い果物と一緒に摂ることで吸収率がアップします。
いかがでしたでしょうか。
サラダ菜には、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
ビタミン類の多くは、皮膚や粘膜の健康維持や強化する働きがあるため、風邪や皮膚炎・口内炎など様々な病気を予防することができます。
ぜひ、いろいろなお料理に取り入れてみて下さい。
サラダ菜を炒める際、水分が出てしまった場合は片栗粉でとろみを付けるか、春雨を入れて吸収させることで水溶性のビタミン類を逃さず摂取する事ができます。
また、加熱することでしんなりしサラダ菜をたっぷり食べることができます。
ビタミンA・E・Kは脂溶性ビタミンのため、生でサラダにして食べる場合はオイルを入れる事で吸収をよくします。
ありがとうございました。