エリンギの栄養素と期待される効果 効能

エリンギの栄養素 きのこ

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弾力があってコリコリとした食感が特徴のエリンギ。
クセが無いので和洋中いろいろなお料理に使える食材です。
日本には自然のエリンギは自生していないため、日本で販売されているものは栽培されたものです。

 

 

エリンギの栄養素

ビタミン
ミネラル
ビタミンD  ナトリウム
 ビタミンB1 □カリウム
□ビタミンB2  カルシウム
ナイアシン  マグネシウム
□ビタミンB6  リン
葉酸  鉄
パントテン酸  亜鉛
□ビオチン □銅
   マンガン
   ヨウ素
   セレン
   モリブデン

その他
食物繊維

 

エリンギには、これらの栄養素が含まれています。
100g(2本)あたり

●マークで太字が特に多く含まれ、□マークは次に多い栄養素。
無印のものは含有量が少なめの栄養素です。

●マークと□マークの働きや効果について説明したいと思います。

 

↓無印の栄養素についてはこちらから


不足しても過剰になっても病気になる!?必須ミネラルの働き
亜鉛は、体内の300種類を超える酵素の構成成分としてたんぱく質合成など様々な反応に関与し、生命活動に欠かせない重要なミネラルです。 血糖値を下げるインスリン、生殖に必要な女性ホルモンと男性ホルモンなど 重要な働きをするホルモンの合成や分泌に不可欠です。

 

前回はえのき茸について書かせて頂きましたが、エリンギはえのき茸と比べると、ビタミンD・ビタミンB2・ビタミンB6・カリウムが多く含まれています。
えのき茸の栄養素と期待される効果 効能

 

 

●ビタミンD

  • 骨形成、骨の石灰化促進
  • 神経伝達、筋肉収縮、血液凝固に関与
  • 免疫力アップ
  • うつ病や精神疾患の抑制
  • 有害金属の毒性軽減

 

カルシウムとリンの吸着を高め、骨の形成に役立つビタミンです。
また、甲状腺ホルモンや副甲状腺ホルモンと協力して、血中のカルシウム濃度を安定させる働きもしています。

カルシウムを補給してもビタミンDが不足しているとうまく吸収されず骨粗しょう症を引き起こすことがあります。

 

骨以外に、筋肉・腎臓・腸管・心臓などにも入り込みいろいろな調整役をするビタミンD。
体内に侵入した細菌やウイルスなどに対して過剰な免疫反応を抑制し、必要な免疫機能を促進する働きもあります。
また、「β-ディフェンシン」という抗菌ペプチドを皮膚上に作らせ、バリア機能を高めることもわかっています。

そのため風邪やインフルエンザ、気管支炎や肺炎などの感染症の発症・悪化の予防や、アレルギー症状の改善に効果が期待できます。

 

ビタミンDは、紫外線により皮下で合成されるため1時間程度の日光浴をすることで不足を補えると言われています。
日照の少ない地域の人や、日に当たる機会が少ない人はビタミンDを含む食品を積極的に摂る必要があります。
ビタミンDは、特に魚類に多く含まれています。

 

免疫力をアップさせる5つの必須栄養素 ビタミン編
細菌やウイルスなどに対して過剰な免疫反応を抑制し、必要な免疫機能を促進する働きもあります。 また、「β-ディフェンシン」という抗菌ペプチドを皮膚上に作らせ、バリア機能を高めることもわかっています。 そのため風邪やインフルエンザ、気管支炎や肺炎などの感染症の発症・悪化の予防や、アレルギー症状の改善に効果が期待できま

□ビタミンB2

  • 脂質をエネルギーに変える
  • 皮膚、粘膜の健康維持
  • 成長促進
  • 生活習慣病の予防

 

脂質をエネルギーに変えつつ新しい細胞をつくる手助けをし、皮膚・髪・喉・眼などの健康を維持し、また子どもや胎児の発育を助けます。

炭水化物とたんぱく質をエネルギーに変える働きもあります。

ビタミンB2は、活性酸素を消去する酵素の補酵素として働くため動脈硬化を予防し、また過酸化脂質を分解し排出する働きもあり肥満や生活習慣病も予防します。

 

 

●ナイアシン(ビタミンB群 科学名ニコチン酸)

  • 二日酔い予防
  • 三大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)の代謝
  • 神経の安定
  • 皮膚や粘膜の健康維持

 

体内でニコチンアミド(NAD)に変化し補酵素として働きます。
NADは、アルコールを分解してアセトアルデヒドという物質にし、さらに分解して無毒な物質に変えます。

また、三大栄養素からエネルギーを作るのに必要な酵素を助ける補酵素として働きます。

ナイアシンは脳神経の働きを助け、皮膚や粘膜の健康を保つことにも欠かせません。

 

 

□ビタミンB6

  • 筋肉をつくる
  • 脂肪肝の予防
  • 脳の興奮を鎮める
  • 月経前症候群(PMS)を防ぐ
  • 有害金属の毒性軽減

 

たんぱく質を分解してエネルギーに変え、分解したアミノ酸で筋肉・血液などをつくり、また脂質もエネルギーに変え脂質が溜まるのを防ぎます。

更に、神経伝達物質の合成を助け脳を正常に保つ働きがあります。
ビタミンB6は、幸せホルモンのセロトニンの合成に関与しているため、精神の安定につながる栄養素です。
ビタミンB6の補充により、気分のむら・イライラ・もの忘れ・不安などの症状が緩和できることがいくつかの研究で示されています。

ビタミンB6は、腸内細菌がつくることもできるので、欠乏症はあまり起こりません。
しかし、たんぱく質の摂取量が多いほど必要になります。
また、妊娠中や月経前・抗生物質を長期服用している場合などは、不足に注意しなければなりません。

 

欠乏症状

  • 食欲不振
  • 成長の抑制
  • 脂漏性皮膚炎
  • 口内炎
  • 口角炎
  • 結膜炎
  • 貧血
  • 手足のしびれ

 

ビタミンB6は、たんぱく質の摂取量が多いほど必要になります。
エリンギのほか、魚や肉、玄米などにも多く含まれています。

 

 

●葉酸(ビタミンB群)

  • 貧血予防
  • 皮膚、粘膜の強化
  • 動脈硬化予防
  • 胎児の正常な発育

 

葉酸は、ビタミンB12と共に全身に酸素を運ぶ赤血球をつくります。
鉄を摂っていても葉酸とビタミンB12が不足すると貧血になります。

 

皮膚や粘膜を強くする葉酸(ビタミンB12と共に)。
皮膚や粘膜は、最初にウイルスや細菌などの外敵にさらされる器官であるため、強化することで外敵の侵入を防ぐことができ感染症やアレルギーなどを予防することができます。

※体にある粘膜は、鼻や口の中の粘膜・のどの粘膜・胃や腸の粘膜・膀胱や子宮の粘膜などといった様にたくさんの粘膜があります。

 

ビタミンB12は、魚介類やレバー・焼きのりに多く含まれています。
かつお節出汁や煮干し出汁のお味噌汁などにエリンギを入れたり、魚料理に蒸したエリンギを添えたり、一緒に炒めるなどして食べると良いでしょう。

この葉酸とビタミンB12の組み合わせが、動脈硬化も予防します。

 

↓「DELISH KITCHEN」で、良い組み合わせのレシピが紹介されています。

 

●パントテン酸(ビタミンB群)

  • 糖質、脂質、たんぱく質の代謝
  • HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす
  • ストレス緩和
  • 動脈硬化予防
  • 美肌、美髪効果

 

体内に吸収されたパントテン酸は、補酵素のコエンザイムA(CoA)をつくる成分となります。
(CoAは体内に広く分布し幅広い代謝に関わっています。)

パントテン酸は善玉コレステロールを増やす働きがあるため、動脈硬化を予防し、またビタミンB6や葉酸と共に免疫力を高めるために働き、感染症を防ぐ効果があります。

更にビタミンCの働きをサポートしているので、コラーゲンがつくられ健康な皮膚と髪を保つことができます。

 

 

□ビオチン(ビタミンB群)

  • 糖質、脂質代謝
  • 皮膚、粘膜、毛髪の健康維持
  • 皮膚炎改善

 

体に取り込まれたビオチンは、酵素たんぱく質と結合し糖質・アミノ酸・脂肪酸の分解に関わる補酵素として働きます。
また、DNAをつくる時にも大事なサポートをします。

たんぱく質をつくる働きがあるビオチンは、皮膚や粘膜・毛髪の新陳代謝を助け健康な状態を維持します。

また、皮膚炎を引き起こす原因物質のヒスタミンがつくられるのを防ぎ、その症状を改善します。

ビオチンは、レバー・魚介類・ナッツ類・卵黄・海藻・納豆など、様々な食品に含まれており通常の食生活をしていれば欠乏する心配はなく、尿中に速やかに排泄されるため過剰症の心配もないと言われています。

 

 

□カリウム

  • 浸透圧の調整
  • 心臓や筋肉の機能調整
  • 高血圧予防
  • 利尿作用

 

カリウムの多くは、細胞内に分布しています。
細胞外液に多く分布するナトリウムと協力して心臓の拍動や神経伝達をスムーズに調整します。
水分量も調節し筋肉も動かしています。

また、カリウムを摂取することでナトリウムの排出を促し血圧を正常に保ちます。
酸とアルカリの平衡を保ち、酵素反応を調整しエネルギー代謝にも関与しています。

 

ナトリウムと協力して働くカリウム
エリンギ自体は、ナトリウムが少なめですが現代人は塩分過多気味の人が多く、通常の食事をしていれば体内のナトリウムが欠乏するような事はありません。
塩分過多により体内調整でカリウムが使われ、カリウム欠乏にならないように気を付けなければなりません。
つまり、塩分の摂り過ぎに気を付け、カリウムを積極的に摂ることが大切です。
カリウムは水溶性のため調理の際は失わないように気を付けましょう。

 カリウムは腎不全の場合には禁忌です。
また、腎臓の機能が低下している人はカリウム制限が必要になります。
 

 

□銅

  • 鉄とヘモグロビンの結合補助
  • 鉄の吸収促進
  • 酸化防止
  • 貧血予防

 

銅は、鉄と共に細胞呼吸やエネルギー代謝に重要な役割を担っています。
活性酸素の消去にも関与しおり、酸化した脂質が血管にたまるのを防いで健康を維持します。
また、鉄の輸送と代謝にも関わっていますので銅が無ければ貧血を予防することはできません。

銅は、摂取量が少ない時は吸収率が高く、多い時は吸収率が低くなり過剰症を防ぎます。

 

 

βグルカン

きのこには、フィトケミカルのβグルカン(不溶性食物繊維)が含まれています。

腸内の免疫細胞に直接働きかけて免疫力を高めてくれるβグルカン。
感染症の予防や、アレルギーの予防・改善などの効果が期待できます。
また白血球やリンパ球を活性化し、がん細胞の発育を抑制するとされています。

 

フィトケミカル(ファイトケミカル)とは

植物が紫外線や有害物質、害虫や外敵などから自身を守るために作り出す物質です。
野菜や果物、豆類などの植物性食品に、色素・香り・苦み・あくなどの成分として含まれています。

 

 

ベタイン

きのこには、甘みや旨みの成分であるベタイン(アミノ酸の一種)も多く含まれています。

 

  • がん予防
  • 肝機能改善
  • コレステロールを下げる
  • 動脈硬化予防
  • 糖尿病予防

 

ベタインは脂肪が肝臓へ沈着するのを防いだり、肝臓の機能を高める働きがあるため、肝硬変や脂肪肝の予防に役立ちます。

また、体内のホモシステイン濃度を低下させると言われています。
ホモシステインは血中に存在するアミノ酸の一種で、このホモシステインレベル濃度が高いと、骨粗鬆症や動脈硬化などを引き起こすと言われています。

ベタインは血糖値の急激な上昇を抑える働きや、コレステロール値の上昇を抑制する働きもあります。

 

ベタインはキノコの他、ほうれん草やビーツにも多く含まれています。

ビーツの栄養素と期待される効果 効能
肝臓の機能を高める働きがあるため、肝硬変や脂肪肝の予防に役立ちます。 また、体内のホモシステイン濃度を低下させると言われています。 ホモシステインは血中に存在するアミノ酸の一種で、このホモシステインレベル濃度が高いと、骨粗鬆症や動脈硬化などを引き起こす
ほうれん草の栄養素で美肌・ガン予防・動脈硬化予防!?
ビタミンB6はタンパク質を分解してエネルギーに変え、分解したアミノ酸で筋肉・血液などをつくります。 また神経伝達物質の合成を助け脳を正常に保ちます。 ビタミンB2は活性酸素を消去する酵素の補酵素として働くため動脈硬化を予防し、肥満や生活習慣病も予防します。

 

 

キトサン

また、不溶性食物繊維のキトサンも含まれています。
がん細胞の増殖を抑制したり、肝機能を強化するなどの作用が期待されています。

 

 

食物繊維

  • 正常なコレステロール値を保つ
  • 血糖値の上昇を緩やかにする
  • 高血圧の上昇を抑制
  • がん予防
  • 有害金属の排泄促進
  • 整腸作用
  • 免疫力アップ

 

食物繊維は、脂肪の吸収を緩やかにします。
余分なナトリウムや脂肪・コレステロールを包み込んで排出させたり、有害物質や発がん物質を吸着し早く体の外に追い出したり、腸の掃除などをしてくれます。

また、糖質の消化吸収がゆっくりになり、血糖値の上昇を抑えるため糖尿病の予防にもなります。
更に、消化管内で膨潤し食塊のかさを増し、胃内での滞留時間を延長させますので過食を防ぐことができます。

免疫機能の60~70%は「腸」に集中しているため、腸内環境を整えることは免疫力を高めることに繋がります。
腸の健康をつくっている善玉菌は、食物繊維の摂取によって増やすことができます。

腸内環境を改善して免疫力をアップさせる食材 オリゴ糖編
免疫機能の60~70%は腸に集中しているため、腸内細菌のバランスを整えることは免疫力を高めることに繋がります。 腸内には大腸の働きを助ける善玉菌や、有害物質を作る悪玉菌、また善玉菌・悪玉菌の優勢な方に味方をする日和見菌(ひよりみきん)がいます。

 

食塊(しょっかい) 唾液と混ぜ合わせて出来た、まとまりがある塊の食物

 

 

 

エリンギには、皮膚や粘膜の健康を維持するビタミンB2やビオチンが含まれており、また食物繊維や美肌・美髪効果のあるパントテン酸も含まれているので美容にとても良い食材です。

風邪や高血圧・ガンなどの予防にも効果が期待できます。
ぜひいろいろなお料理に取り入れてみてください。

きのこには、脂溶性ビタミンが含まれているので油脂と合わせて摂取するのが良いですが、水溶性ビタミンも含まれているため野菜などと炒めた際に煮汁が出る場合は、片栗粉でとろみを付けるか、春雨を入れて煮汁を吸わせることでしっかりとどちらのビタミンも摂取する事ができます。

 

 

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