現在、小松菜は通年出荷されていますが本来は11月~3月が旬です。
アクが少ないのが特徴で、炒め物やお浸し・スープなど和洋中問わず使える食材です。
小松菜の栄養素
| ビタミン | 
ミネラル | 
| ●ビタミンA | ナトリウム | 
| □ビタミンE | □カリウム | 
| ●ビタミンK | ●カルシウム | 
| ビタミンB1 | マグネシウム | 
| □ビタミンB2 | リン | 
| ナイアシン | ●鉄 | 
| ビタミンB6 | 亜鉛 | 
| ●葉酸 | 銅 | 
| パントテン酸 | マンガン | 
| ビオチン | ヨウ素 | 
| ●ビタミンC | セレン | 
| クロム | |
| ●モリブデン | 
その他   
食物繊維
アミノ酸
小松菜には、これらの栄養素が含まれています。
150gあたり(1束約200~300gです)
●マークで太字が特に多く含まれ、□マークは次に多い栄養素。
無印のものは含有量が少なめの栄養素です。
●マークの働きや効果について説明したいと思います。
↓□マークと無印の栄養素についてはこちらから


ビタミンA
小松菜に含まれるβカロテンが体内でビタミンAに変わります。
- 皮膚、粘膜を健康に保つ
 - 成長促進
 - 抗酸化作用
 - ガン予防
 - 免疫力アップ
 
周りが暗くなり慣れてくると見えるようになるのは、ビタミンAがあるからです。
色の違いを見分ける力もビタミンAの働きによるもので、視覚と視力を正常に保つのに不可欠な栄養素です。
不足すると暗い所で物を見る機能が低下します。
ビタミンAは皮膚や消化器官などの上皮の機能を守りウィルスの侵入を防ぎ、また活性酸素を消去する抗酸化作用があるため、ガンや動脈硬化・心疾患などの予防に役立ちます。
不足すると
ビタミンAは、子どもの骨の成長に大事な働きをするため不足すると成長障害などの原因になります。
また、皮膚や粘膜が乾燥し感染症への抵抗力が弱くなり風邪などを引きやすくなります。
そのほか、皮膚や髪がかさつく・消化不良を起こす・爪がもろくなるなどの症状も起こります。
ビタミンK
- 血液凝固成分を作る
 - 骨や歯の形成
 
血液を凝固させるにはビタミンKが必要です。
血液凝固成分により出血しても自然に止血するのです。
また、骨のカルシウム石灰化にも関わり骨の形成に重要な役割を果たしています。
ビタミンKが欠乏すると出血が止まりにくくなります。
また、骨粗しょう症にならないためにもカルシウム・ビタミンDと共に欠乏しないように気を付けなければなりません。

葉酸(ビタミンB群)
- 貧血予防
 - 皮膚、粘膜の強化
 - 動脈硬化予防
 - 胎児の正常な発育
 
葉酸は、ビタミンB12と共に全身に酸素を運ぶ赤血球をつくります。
鉄を摂っていても葉酸とビタミンB12が不足すると貧血になります。
皮膚や粘膜を強くする葉酸(ビタミンB12と共に)。
皮膚や粘膜は、最初にウイルスや細菌などの外敵にさらされる器官であるため、強化することで外敵の侵入を防ぐことができ感染症やアレルギーなどを予防することができます。
※体にある粘膜は、鼻や口の中の粘膜・のどの粘膜・胃や腸の粘膜・膀胱や子宮の粘膜などといった様にたくさんの粘膜があります。
ビタミンB12は、魚介類やレバーに多く含まれています。
かつお節出汁や煮干し出汁のお味噌汁に小松菜を入れたり、魚料理に蒸した小松菜を添えたり、一緒に炒めるなどして食べると良いでしょう。
またビタミンB12は、焼きのりにも多く含まれています。
この葉酸とビタミンB12の組み合わせが、動脈硬化も予防します。
↓「DELISH KITCHEN」で、良い組み合わせのレシピが紹介されています。

ビタミンC
- 抗酸化作用
 - コラーゲンの生成
 - 鉄の吸収アップ
 - 抗ストレス作用
 - 抗ヒスタミン作用
 - 利尿作用
 - ガン予防
 - 有害金属の毒性軽減
 
コラーゲンの合成促進や活性酸素の除去し多くの生理作用に役立ちます。
身体をつくるたんぱく質の1/3はコラーゲン。
コラーゲンは、血管・筋肉・骨・皮膚などの細胞をつなぎ丈夫に保ちます。
ビタミンCは、コラーゲンの合成を助けて皮膚のシミやしわを防ぎ、傷や炎症などが早く治ります。
 
抗酸化力が強いビタミンCは、体内の酸化を防ぎ動脈硬化を予防します。
また、悪玉のLDLコレステロールを減らし、善玉のHDLコレステロールを増やします。
さらに、血圧上昇の抑制・免疫力アップ・細菌の毒素中和・細菌感染症に対する抵抗力も高め良い事だらけです。
不足すると欠乏症になり、強い疲労感や関節痛などを引き起こします。
水に溶けてしまうビタミンを摂取するには
水溶性ビタミンは、B1・B2・ナイアシン・B6・B12・葉酸・パントテン酸・ビオチン・Cの9種類です。
これらは、煮汁に流出し長時間水にさらしたりすることでも流出してしまいます。
塩ゆでにすると少しは、流出を抑制できるそうですが。
先にカットせずにさっと洗い、蒸したり、またお味噌汁や炒め物などに使用してください。
よく洗う事で残留農薬を落とすことができますが、農薬を体内に入れずにビタミンを摂取するには無農薬のものを選ぶしかありません。
せっかくビタミンを摂取しても、有害な化学物質を体に取り込んでしまえば意味がありません。
ただ、無農薬野菜は簡単に手に入らないのが現状で、自然食品屋さんで見かけるものも低減農薬のものばかりです。
※農薬の使用量は野菜により異なり、少量の場合もあれば多量に使用している場合もあります。
時期などにもより、市販のものでも農薬の使用量が少ないものも置いてある場合があります。
カルシウム
- 骨や歯を作り強くする
 - 神経の興奮の抑制
 - 免疫力を高める
 - ホルモンの分泌を調整
 - 筋肉や内臓を動かす
 - 血液を凝固させる
 - pHの調節
 - 有害金属の毒性軽減
 
カルシウムの99%が骨と歯などの硬い組織に分布し、骨から出たり入ったり絶えず作り直されています。
残りの1%は細胞や血液中に分布しており、心臓や筋肉が正常に収縮するのを保つ働きをしています。
また、血液凝固・血管・神経活動、ホルモン分泌などにも関与しており、不足すると骨がもろくなるだけでなく、イライラや神経過敏なども出てくることがあります。
日本人は、慢性的にカルシウムが不足している状態と言われています。
ただ、サプリメントで摂り過ぎになることもあります。
摂り過ぎが続くと、頭痛・筋肉痛・腎臓結石・尿路結石などになる場合があります。
マグネシウムや鉄・亜鉛などのミネラルの吸収も阻害されるようになります。
欠乏による病気や症状
血液中のカルシウム濃度は、常に一定に保たれていなければなりません。
血液中のカルシウム濃度が低下すると、濃度を保つために骨のカルシウムが血液中に溶けだすため、骨の形成が阻害されます。
また、骨から必要以上のカルシウムが流し出されると、血管や脳などに入り込みそれが沈着することによって、さまざまな病気を引き起こします。
カルシウム不足が続くと、以下の様な症状などを引き起こすことがわかっています。
- ピクピクとまぶたがけいれんする
 - 神経過敏
 - うつ
 - もの忘れが多くなる
 - 不眠
 - 疲労感
 - 免疫異常
 - 動悸
 - 手足のしびれ
 - 足がつる
 - 骨粗しょう症
 - 肩こり、腰痛
 - 変形性関節痛
 - 腫瘍
 - 高血圧
 - 糖尿病
 - 動脈硬化
 - アレルギー
 
欠乏する原因
普段カルシウムを摂っているつもりでも、以下の行動や、閉経後のホルモン変化などにより不足の状態になってしまう場合があります。
- 多量飲酒 カルシウムが尿に排出されやすくなる。
 - 喫煙 胃腸の働きを悪くしカルシウムの吸収を妨げる。
 - 必要以上の塩分・糖質・脂質・たんぱく質の摂り過ぎ カルシウムの吸収を妨げる。
 - 加工食品などに含まれるリンの摂り過ぎ 骨のカルシウムが減少し、カルシウムの吸収を妨げる。
 - 閉経後のホルモンの変化 腸でのカルシウムの吸収低下や、カルシウムの吸収を助けるビタミンDをつくる働きが弱くなる。
 - ビタミンD不足 腸や腎臓でのカルシウム吸収率低下。
 - 過度のストレス 腸でのカルシウムの吸収を妨げる。
 
鉄
- 貧血予防
 - 筋肉を動かす
 - 有害金属の毒性軽減
 
血液中の赤血球にあるヘモグロビンは、たんぱく質のグロビンとヘムが結合した色素たんぱく質です。
ヘモグロビンは、全身に酸素を運んでおり、鉄はヘムをつくるのに不可欠な成分です。
鉄は、筋肉のミオグロビンと結合して酸素の運搬と貯蔵を行っています。
その為、鉄が欠乏すると酸素を取り込めなくなり筋力が低下します。
また、解毒に必要なシントクロムという酵素をつくるのに必要です。
シントクロムは、ホルモンをつくったり脂肪酸の代謝にも関わっています。
※鉄はビタミンCと一緒に摂ることで吸収を良くします。
モリブデン
肝臓・腎臓・副腎に多く含まれており尿酸を作る酵素や、悪酔いの原因物質「アセトアルデヒド」を処理する酵素の構成成分として重要な役割を担っています。
- 肝臓、腎臓で有害物質を分解
 - 糖質、脂質の代謝
 - 二日酔い予防
 - 虫歯予防
 - 鉄を利用しやすくし貧血を予防
 
モリブデンは、プリン体が尿酸に分解するのを助け、それを尿に排泄する働きがあります。
また、糖質や脂質の代謝を進めてエネルギーになるのを助けます。
さらに、体内に溜まった亜硫酸毒素を分解するため、虫歯の予防にも役に立つと言われています。
モリブデンは、吸収されやすく尿として速やかに排出されるので体内で過剰になることはありません。
また微量ミネラルで、必要量が少なく通常の食生活で欠乏することはないと言われています。
必要量は少ないですが、上記でわかるように生命活動を維持するのに重要な役割を担っています。
それはその他のミネラルでも言えることです。(マンガン・ヨウ素・クロム・セレンなど)
フィトケミカル(ファイトケミカル)とは
小松菜には、フィトケミカルのクロロフィルが含まれています。
フィトケミカルは、植物が紫外線や有害物質、害虫や外敵などから自身を守るために作り出す物質です。
野菜や果物、豆類などの植物性食品に、色素・香り・苦み・あくなどの成分として含まれています。
フィトケミカルは強い抗酸化作用があるため、老化や病気を防ぎ健康を維持するのに役立ちます。
主なフィトケミカル
- カロテノイド(赤・黄・オレンジ色の色素成分)
 - ポリフェノール(色素、あくや苦みなどの成分)
 - イオウ化合物(にんにくなどの臭いや、大根などの辛み成分)
 - フコイダン(食物繊維の一種で海藻に含まれる)
 - βグルカン(食物繊維の一種できのこに多く含まれる)
 
フィトケミカルは多種類を摂ることで機能を発揮するので、色々な食品をバランスよく取ることが大切です。
クロロフィル(葉緑素)
- ガン予防
 - コレステロール値を下げる
 - デトックス
 - 不燃脂肪を燃えやすくする
 - 便秘解消
 - 貧血の予防、改善
 - 口臭や体臭予防
 - 抗菌作用
 - 抗酸化作用
 
葉緑体に含まれる光合成色素のクロロフィル。
クロロフィルは、血管内のコレステロールを吸着する働きがあるため、コレステロールを抑えて、血流を良くする働きがあります。
また、体内に取り込まれてしまったダイオキシンやカドミウム・鉛・水銀などの有害金属に吸着して排出させる解毒作用があることもわかっています。
さらに、血液を循環して皮膚や肺から排出されるニオイ成分を消臭する効果もあります。
そのほか、ピーマン・ケール・春菊・ほうれん草・ニラ・ブロッコリーなどにも含まれています。
クロロフィルは、植物の緑色が濃ければ濃いほど多く含まれています。
いかがでしたでしょうか。
小松菜には、ビタミン類が多く含まれているので美肌を目指したい人に最適な野菜です。
また、カルシウムの含有量が多いので骨粗しょう症の予防にもなります。
様々なお料理に使えるので、毎日のお料理に取り入れてみてはいかがでしょうか。
(野菜や果物の栄養価が高いのは旬の時です。)
ありがとうございました。
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