ブロッコリーの旬は11月~3月です。
炒めたり、お味噌汁に入れたり、グラタンに入れても美味しく和洋中問わず使える食材です。
今回は、ビタミンが豊富なブロッコリーについて書かせていただきたいと思います。
ブロッコリーの栄養素
ビタミン |
ミネラル |
ビタミンA | ナトリウム |
●ビタミンE | □カリウム |
●ビタミンK | カルシウム |
□ビタミンB1 | マグネシウム |
□ビタミンB2 | リン |
ナイアシン | 鉄 |
□ビタミンB6 | 亜鉛 |
●葉酸 | 銅 |
□パントテン酸 | マンガン |
ビオチン | セレン |
●ビタミンC | ●モリブデン |
その他
食物繊維
アミノ酸
ブロッコリーには、これらの栄養素が含まれています。
120gあたり
●マークで太字が特に多く含まれ、□マークは次に多い栄養素。
無印のものは含有量が少なめの栄養素です。
●マークの働きや効果について説明したいと思います。
↓□マークと無印の栄養素についてはこちらから
13種類のビタミンは体内でどう働くのか
不足しても過剰になっても病気になる!?必須ミネラルの働き
ビタミンE
- 抗酸化作用
- 血行促進
- 動脈硬化予防
- 性ホルモンのバランスを整える
- 免疫力アップ
- 有害金属の毒性軽減
体内の脂肪組織、筋肉、骨髄、子宮など様々な部位の生体膜に存在しています。
ビタミンEは免疫細胞を活性化すると共に、免疫抑制物質の生成を防ぎます。
また、抗酸化作用により活性酸素を消去しシミやしわの増加を防ぎ、くすみも予防してくれます。
さらに、毛細血管を広げて血行を良くするため、血行不良による冷え性・肩こり・頭痛などの症状も和らげます。
ビタミンEは酸化しやすいのでビタミンCと一緒に摂ることで酸化を防ぐのですが、ブロッコリーにはビタミンCも多く含まれています。
ビタミンK
- 血液凝固成分を作る
- 骨や歯の形成
血液を凝固させるにはビタミンKが必要です。
血液凝固成分により出血しても自然に止血するのです。
また、骨のカルシウム石灰化にも関わり骨の形成に重要な役割を果たしています。
ビタミンKが欠乏すると出血が止まりにくくなります。
また、骨粗しょう症にならないためにもカルシウム・ビタミンDと共に欠乏しないように気を付けなければなりません。
葉酸(ビタミンB群)
- 貧血予防
- 皮膚、粘膜の強化
- 動脈硬化予防
- 胎児の正常な発育
葉酸は、ビタミンB12と共に全身に酸素を運ぶ赤血球をつくります。
鉄を摂っていても葉酸とビタミンB12が不足すると貧血になります。
皮膚や粘膜を強くする葉酸(ビタミンB12と共に)。
皮膚や粘膜は、最初にウイルスや細菌などの外敵にさらされる器官であるため、強化することで外敵の侵入を防ぐことができ感染症やアレルギーなどを予防することができます。
※体にある粘膜は、鼻や口の中の粘膜・のどの粘膜・胃や腸の粘膜・膀胱や子宮の粘膜などといった様にたくさんの粘膜があります。
ビタミンB12は、魚介類やレバーに多く含まれています。
かつお節出汁や煮干し出汁のお味噌汁にブロッコリーを入れたり、魚料理に蒸したブロッコリーを添えたり、一緒に炒めるなどして食べると良いでしょう。
またビタミンB12は、焼きのりにも多く含まれています。
この葉酸とビタミンB12の組み合わせが、動脈硬化も予防します。
↓「アスレピ」で、良い組み合わせのレシピが紹介されています。
ビタミンC
- 抗酸化作用
- コラーゲンの生成
- 鉄の吸収アップ
- 抗ストレス作用
- 抗ヒスタミン作用
- 利尿作用
- ガン予防
- 有害金属の毒性軽減
コラーゲンの合成促進や活性酸素の除去し多くの生理作用に役立ちます。
身体をつくるたんぱく質の1/3はコラーゲン。
コラーゲンは、血管・筋肉・骨・皮膚などの細胞をつなぎ丈夫に保ちます。
ビタミンCは、コラーゲンの合成を助けて皮膚のシミやしわを防ぎ、傷や炎症などが早く治ります。
抗酸化力が強いビタミンCは、体内の酸化を防ぎ動脈硬化を予防します。
また、悪玉のLDLコレステロールを減らし、善玉のHDLコレステロールを増やします。
さらに、血圧上昇の抑制・免疫力アップ・細菌の毒素中和・細菌感染症に対する抵抗力も高め良い事だらけです。
ビタミンCが不足すると欠乏症になり、強い疲労感や関節痛などを引き起こします。
その他ビタミンCの効果
- 抗腫瘍作用
- 尿酸を減らす
- 血液中のアルコール排出促進
- 寒冷抵抗力を高める
- 痛みの軽減
- ウイルスを殺す
- 細菌の毒素中和
ビタミンCが不足する原因
厚生労働省によるビタミンCの食事摂取基準の推奨量は、12歳以上で1日100mgとされています。
ですが、わたしたちはその半分程しか摂取できていないと言われており、またストレスなどによってもビタミンCが多量に消費されています。
体内のビタミンCが不足する原因、不足しやすい人は以下の通りです。
- 飲酒
- 喫煙
- 受動喫煙
- ストレス
- 大気汚染
- 妊婦、授乳婦
- 激しい運動をする人(大量の汗とともにビタミンCが失われます。)
- 病気の人や、薬を常用している人
- 高齢者
水に溶けるビタミンを摂取するには
水溶性ビタミンは、B1・B2・ナイアシン・B6・B12・葉酸・パントテン酸・ビオチン・Cの9種類です。
これらは、煮汁に流出し長時間水にさらしたりすることでも流出してしまいます。
塩ゆでにすると少しは、流出を抑制できるそうですが。
さっと洗い蒸したり、お味噌汁や炒め物などに使用してください。
よく洗う事で残留農薬を落とすことができますが、農薬を体内に入れずにビタミンを摂取するには無農薬のものを選ぶしかありません。
せっかくビタミンを摂取しても、有害な化学物質を体に取り込んでしまえば意味がありません。
ただ、無農薬野菜は簡単に手に入らないのが現状で、自然食品屋さんで見かけるものも低減農薬のものばかりです。
※ 農薬の使用量は野菜により異なり、少量の場合もあれば多量に使用している場合もあります。
時期などにもより、市販のものでも農薬の使用量が少ないものも置いてある場合があります。
モリブデン
肝臓・腎臓・副腎に多く含まれており尿酸を作る酵素や、悪酔いの原因物質「アセトアルデヒド」を処理する酵素の構成成分として重要な役割を担っています。
- 肝臓、腎臓で有害物質を分解
- 糖質、脂質の代謝
- 二日酔い予防
- 虫歯予防
- 鉄を利用しやすくし貧血を予防
モリブデンは、プリン体が尿酸に分解するのを助け、それを尿に排泄する働きがあります。
また、糖質や脂質の代謝を進めてエネルギーになるのを助けます。
さらに、体内に溜まった亜硫酸毒素を分解するため、虫歯の予防にも役に立つと言われています。
モリブデンは、吸収されやすく尿として速やかに排出されるので体内で過剰になることはありません。
また微量ミネラルで、必要量が少なく通常の食生活で欠乏することはないと言われています。
必要量は少ないですが、上記でわかるように生命活動を維持するのに重要な役割を担っています。
それはその他のミネラルでも言えることです。(マンガン・ヨウ素・クロム・セレンなど)
フィトケミカル(ファイトケミカル)とは
ブロッコリーには、フィトケミカルのケルセチン(ポリフェノールの一種)やルテイン(カロテノイドの一種)・クロロフィルが含まれています。
フィトケミカルは、植物が紫外線や有害物質、害虫や外敵などから自身を守るために作り出す物質です。
野菜や果物、豆類などの植物性食品に、色素・香り・苦み・あくなどの成分として含まれています。
フィトケミカルは強い抗酸化作用があるため、老化や病気を防ぎ健康を維持するのに役立ちます。
主なフィトケミカル
- カロテノイド(赤・黄・オレンジ色の色素成分)
- ポリフェノール(色素、あくや苦みなどの成分)
- イオウ化合物(にんにくなどの臭いや、大根などの辛み成分)
- フコイダン(食物繊維の一種で海藻に含まれる)
- βグルカン(食物繊維の一種できのこに多く含まれる)
フィトケミカルは多種類を摂ることで機能を発揮するので、色々な食品をバランスよく取ることが大切です。
ケルセチン
- ダイエット効果
- 抗炎症作用
- 抗酸化作用
- 高血圧予防
- 免疫力アップ
ケルセチンは、脂肪分解酵素の活性化を促す働きがあるとされています。
肝臓に含まれる脂肪の燃焼・排出や消化官での脂肪吸収抑制などが期待されており、メタボリックシンドロームを抑制する働きがあると考えられています。
花粉症やアトピー性皮膚炎・気管支喘息などを引き起こす物質としてヒスタミンがありますが、
ケルセチンがヒスタミンの働きを抑制しアレルギーなどの症状を軽減すると考えられています。
ケルセチンはビタミンPの働きをします。
ビタミンPはビタミン様物質で、ビタミンCの機能を助ける作用があります。
高血圧を予防したり、免疫力を高めて風邪を引きにくくし、また出血性の病気の予防にも効果があると言われています。
ルテイン
ルテインは、目の網膜の黄斑部周辺に多く存在しています。
黄斑変性や白内障などの目の病気の原因は、加齢によりルテインが減少することで起こります。
ルテインを補給すると、網膜の酸化した部分が修復され、これらの目の病気を予防することができます。
また、抗酸化作用もあるため老化防止や生活習慣病などの予防にもなります。
※カロテノイドの一種「ゼアキサンチン」があります。
ゼアキサンチンは黄斑部の中央に多く存在しており、ルテインと同様に加齢により減少します。
このゼアキサンチンの補給も、黄斑変性や白内障などの目の病気の予防に役立ちます。
「とうもろこし」には、ルテインとゼアキサンチンの両方が豊富に含まれています。
クロロフィル(葉緑素)
- ガン予防
- コレステロール値を下げる
- デトックス
- 不燃脂肪を燃えやすくする
- 便秘解消
- 貧血の予防、改善
- 口臭や体臭予防
- 抗菌作用
- 抗酸化作用
葉緑体に含まれる光合成色素のクロロフィル。
クロロフィルは、血管内のコレステロールを吸着する働きがあるため、コレステロールを抑えて、血流を良くする働きがあります。
また、体内に取り込まれてしまったダイオキシンやカドミウム・鉛・水銀などの有害金属に吸着して排出させる解毒作用があることもわかっています。
さらに、血液を循環して皮膚や肺から排出されるニオイ成分を消臭する効果もあります。
そのほか、ピーマン・ケール・春菊・小松菜・ほうれん草・ニラなどにも含まれています。
クロロフィルは、植物の緑色が濃ければ濃いほど多く含まれています。
いかがでしたでしょうか。
ブロッコリーには、動脈硬化の予防に役立つビタミンEと葉酸が豊富に含まれています。
動脈硬化予防のほか、豊富なビタミン類により美肌やデトックスにも期待できます。
茎部分も含め、ぜひ毎日のお料理に取り入れてみてください。
ありがとうございました。